3 / 7

第3話 ロクデナシ

このタイミングで兄ちゃんが帰ってきては不味いから、とりあえずこの人を僕の部屋に押し込めた。 名前を聞くと、思ったより軽いノリで楽々無名(ろくろむめい)と答えてくれた。 話を聞けば、楽々無名(以下ロクデナシ)は、さる並行世界?から来た魔法講師らしい。魔法文化の衰退が並行世界での社会問題になっているらしく、それらを解決するべく送り込まれた謂わばこのロクデナシはインストラクターの一人なのだと言う。 「恋の力は偉大だ、特に多感なオマエぐらいの年頃ではな!と言うわけで、ドアも直すし授業料も食事並びに宿泊費とで免除するから是非とも魔法少女になってくれ!」 「めっめちゃくちゃだ……しかも食費と宿泊費で免除ってまさか僕達の家に住むき?」 「ああ勿論。安心しろ、オレは魔法で透明になるから兄にはバレない。したがって、オマエと兄の恋路を邪魔することもない」 「にっ兄ちゃんは関係ないだろ!」 「否!魔法には恋の力が必要だ、講師であるオレが力を消すわけにはいかない」 「……あなたも恋をしているの?」 「ああ、魔法に恋している」 「き、気持ち悪い……」 もうしっちゃかめっちゃかだ。結局僕は悪徳商法に引っかかる人みたいな心理になっちゃって、つい承諾してしまったのだ。 結局なしくずし的な感じで僕は魔法少女になってしまった。いやいや、魔法少女って僕男だよ?という疑問はあったが、ロクデナシが早々に話を進めて来るもんだから押し通せなかった。まあドアの修理はちゃんと魔法っぽいやつでしてくれたから詐欺ではない、多分。

ともだちにシェアしよう!