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第6話
そろそろ朱雀様の高校も終わって今はお父様の兄である叔父夫婦が営むバーで仲間たちと騒いでいる頃ですか。
日が傾き夜の姿が見え始めた頃、私はサングラスを取りケースにしまい込む。
アルビノのせいか、光に弱くて眩しさを強く感じるためにお父様が用意してくれたサングラス。カラーコンタクトも活用してる。
秋も深まりそろそろ冬の準備に大忙しな屋敷の中で私は朱雀様を迎えに行く準備を始めた。
黒のライダースジャケットにワインレッドのパンツ。長い髪を軽く横に流す様に結び直してバイクに朱雀様様のヘルメットがあるか確認。
私が黒に対して朱雀様は名の通り真っ赤なヘルメット。
以前は自動車でお迎えをしていたのだけど友人に感化されてバイクで送り向かいして欲しいと希望があって奥様にそれを告げると「へぇー朱雀も考えたね」と意味深な発言をなさっていた。
アクセルを何度かふかして機体の確認して、またがれば颯爽と目的地まで向かう。
走行中、流れる風が少し寒い。その位が丁度良い。
夜の走行を楽しんでいればあっというまに目的地に着いた。
店前の駐車場にバイクを止めてヘルメットを座席下のトランクにいれる。よし、鍵も閉めた。
そのまま店の扉を開ければ、上に付いているベルがカランと来客を知らせた。
「よぉ〜朔弥じゃねぇか。お姫様のお迎えか?」
カウンターで濃い液体に炭酸水を注いでいる叔父、将馬さんである。父さんの兄。
「お姫様何て言ったら朱雀様嫌がります」
「それはだな朔弥君よ!銀髪赤眼とくれば王子に決まってるではないか?そう、それはかぐわしき薔薇のフレグランスのごとき祝福の音色がー」
「うるせー司!てめーの言ってる事は意味不明なんだよごらぁ!」
扉をバンっと開けて朱雀様が将馬さんの嫁一見爽やかイケメンに見えますが女性です。司さんの胸ぐらを掴んで騒がしく朱雀様は何か言ってます。司さんの呪文みたいな言葉を理解してるのは旦那の将馬さん位かと。
私も半分以上何言ってるのか分かっていません。でも不思議と彼女の周りには人を引き付ける何かを持っています。日中はカフェを営んでいますが、司さん狙いの客でいっぱいです。
「朱雀様そろそろ司さんを解放してはくれませんか?」
「っ朔弥がそう言うならー」
素直に司さんを放す朱雀様。何かとちょろいですね。
「おや?姫は王子には素直だねっ!でも本当は逆でー」
「司うるさい!」
ああっ今度は司さんの口を塞ごうと。何気に仲が良いですね。でもこうなったら止まりませんね。
「朔弥ほれジンジャエールだ」
「将馬さんありがとうございます」
将馬さんグッドタイミングです。ああなった2人は止めるの大変ですし明日は学校も休みなので20時までに屋敷に帰れば良いので傍観に徹します。
「朱雀も何だかんだ言ってもう朔弥と身長同じ位か?」
「そうですね170はあるのですが旦那様も奥様も身長高いですからきっと抜かされるのも時間の問題ですか」
「そりゃそうだ。朱雀もこれで身長が止まって朔弥と同じだったら示しがつかねーからな(好きな相手と同じ身長とか)」
「旦那様の後を継ぐのでしたらキリっとスーツを着こなせれる身長は欲しいですね(社長である旦那様と同じ位は伸びますね)」
「ほほうスーツを着こなす男は良いってか(旦那になるヤツがそうだと嬉しいもんだな)」
「旦那様も父さんもスタイル良いですから(カッコ良くて憧れます)」
将馬さんとの会話は屋敷に戻るギリギリの時間まで弾みました。
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