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第11話
インフルエンザで撃沈してました。
んで持って年末年始はずっとこれを書こうと妄想しながらベッドで苦しんでた!
それでは行きましょう季節ネタです。
セトナとしては激甘な内容デス。
いつもこう思う目を開ければ恋に焦がれているあいつの姿があれば良いのにと。
彼と俺との関係はこれからもずっと、主君関係で良いのか。
俺はそうとは思っていない。
俺はあいつと番いで居たい。
何にも邪魔されない、そんな絶対な関係で居たいんだ。
「朝だよ、いいかげんに起きないとイタズラしてしまうよ」
「えっああ、うん朔弥か起きるって」
「おはよう朱雀。良く眠れた?」
ふわりと頭を優しく撫でられた。
あれ、ちょっと待て。朔弥だよな。
この声は。
隣を見ればパジャマ姿の朔弥が起き上がって座っていた。
どうして朔弥が同じベッドに居るのか分からない。
母さんに薬でも盛られてこんな状況になっているのか。混乱する俺に朔弥は言った。
「ねぇ朱雀、貴方は私の長い銀髪が好きだと言ってたから伸ばしてたけどそろそろ切ってもいい?」
朔弥の髪が腰くらいまで凄く伸びている。
おかしい、朔弥は昨日までは肩につく程度の長さだったはず。
「寝ぼけてる?大学の春休みって、単位取れてる人は行かなくても良いし、二学年になってもすぐに朱雀なら単位取っちゃうし楽かも」
「朔弥だよな」
「私以外のだれに見えるの?朱雀ってばおかしいよ」
「朔弥が俺を呼び捨て?」
「何言ってるの?そんなの番いだからに決まってるじゃない。ほらこの噛み痕」
朔弥は下ろしていた髪の毛をかき上げて、首の後ろを見せる。そこにはくっきりと歯の痕が残っていた。
それを見て動揺した。まさか俺が朔弥に?
朔弥が俺の番いになったのか、覚えていない。
本当に本当なのか?
「朔弥、また噛んでも良いか?」
「朱雀ってば心配症だよ。甘噛み程度でお願いします」
クスクスと笑う朔弥。こんな表情見た事が無い。けれど急かす様に首を差し出す朔弥。
俺はようやく思いが叶ったのかと嬉しくて朔弥を背後からだきしめて首を噛んだ。
朔弥も俺と同じで鼓動が速い。照れているのか耳が真っ赤。
少し意地悪したくなって、何度も甘噛みしたり舌で首すじをなぞったりしてみる。
朔弥はビクッと震えあがったけれどされるがままに、体重を俺に預けた。
「何も不安にならなくても良いんだよ。こうやって何度も朱雀は確認するけど大学院まで行って卒業したら同じ研究室で働くし入籍もするんだし」
そんな話しを朔弥から聞く何て思ってもみなかった。朔弥はとんとんと言っているが、俺にとっては叶わない願いだとずっと胸にしまい込んでいたものだ。
「朔弥、愛してる」
ずっと言えなかった言葉。何度も何度も言いたかった言葉。
朔弥が振り返ってにこりと笑う。
「泣いてるの朱雀?しょうがないな〜」
パジャマの袖で俺の涙を拭ってくれた。
それだけでも嬉しかった。思いが伝わった。
「大丈夫だよ朱雀。私もー」
「起きて下さい朱雀様。お正月だからって寝すぎですよ」
がばっと飛び起きて朔弥を見ればいつも通りの執事服の上から白衣を羽織った姿だ。
もちろん髪の毛も横に添わせて結んでいるが、肩くらいの長さであった。
「お正月も2日目、どうでしたか初夢は。ちなみに私は夢なんて見ない方なんで」
いつもと同じ接し方。きっちりした主君関係。
そうかあれは夢だったのか。
「俺の初夢は俺の欲望を忠実に再現していたな」
「そうですよね、だって朱雀様笑っていました。私には出来ない芸当です」
無表情な顔で俺の服をベッドに置いた朔弥。
夢の中ではあんだけ表情豊かだったのに残念だ。
「初夢叶うと思う?」
「それは朱雀様の日頃の行いしだいですかね」
きっと俺は叶えてみせる。この深い闇を抱える朔弥を救って、それから夢で聞けなかった言葉を言わせてみせる。
朔弥は誰にも渡さない、絶対に。
この1年朔弥との距離が縮まりますように。
そう願った。
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