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リビングのソファで、矢車は組み敷かれていた。
「ねぇ、センパイ? ぶっちゃけどうでもいいと言えばいいんですけど、一個だけ質問でぇす」
「つまんねェ話だったらその口、食い千切るからな」
「わぁ、怖いっ。……そんなワイルドなセンパイは本当に、女遊びしてた過去があるんですかぁ?」
それは、昼休みの会話だ。
どうして今更そんなことをほじくり返されたのかは分からないが、松葉瀬は眉を寄せた。
「お前、最初から全部聴いてたのか? ストーカーかよ、気色悪い」
「心外でしかなさすぎて逆に勃っちゃいそうですぅ」
スラックスを下ろされながら、矢車はわざとらしいほどの棒読みで答える。
正直、そんな問い掛けに答える義理はない。
そう思った松葉瀬だったが、何となく矢車の解釈が気に食わなかった。
だから、答えることにしたらしい。
「テメェと知り合う前は、寄ってきた女を手当たり次第抱いてただけだ。セックスは気分転換にいいからな。……だから、テメェの言う【女遊び】ってのとはちげェんだよ。遊んでから捨ててやろうなんて気、一切無かったからな。……そもそも、そこまで酷い男じゃねェんだよ、俺は」
それが、真相。
松葉瀬は『どうだ文句ねェだろ』と言いたげに矢車を見下ろし、下着を下ろす。
下半身を裸にされた矢車は、げんなりとした表情で松葉瀬を見上げた。
「センパイ……正直、遊び人よりタチが悪いです。社会のゴミですので燃える日にダストボックスへどうぞでぇす」
「生産性のねェ会話する余裕があんなら、無理矢理ぶち込むぞ」
「ひ……う、っ」
反り立った松葉瀬の逸物が、矢車の後孔に押し付けられる。
矢車は小さく震えた後、フルフルと首を横に振った。
「や、です……っ」
「あ? ドマゾヤローがなに言ってんだよ」
「そっちじゃ、なくて……」
瞳を潤ませた矢車が、自身の唇に人差し指を添える。
瞳が潤んでいるのは……無理矢理犯されるかもしれないという恐怖からでは、ない。
「センパイのお粗末な愚息……あーんって、したいです」
これからの行為に対する、期待感。
それによって潤んだ瞳は真っ直ぐと、松葉瀬を見つめている。
「……歯ァ立てたら、ケツが裂けるように抱くからな」
「そんな失態しないですよぉ? ボク、お利口さんですから」
矢車が口を開き、挿入を受け入れる体勢を示した。
松葉瀬は矢車にのしかかったまま、下半身を矢車の顔へ近付ける。
「お利口さん、ねェ? いつまで経っても減らず口ばっかだな、テメェは」
「ん、む……っ」
まるで挨拶をするかのように、矢車は松葉瀬の逸物に、触れる程度のキスをした。
そしてそのまま、ゆっくりと咥える。
「んぅ、ふ……く、ん……っ」
矢車が、くぐもった声を漏らす。
先端に舌を這わせ、丁寧に舐めあげる。
まるで、撫でているかのように。
「ラーメン食ったばかりのクセして、腹でも空かせてんのかよ」
「んん、ん……は、ふ……っ」
「ハ……ッ。すげェウマそうに咥えんのな、クソ淫乱」
口を塞いでしまえば、矢車は嫌味を言ったりしない。
それが理由なのか……矢車から受ける口淫が、松葉瀬はそこそこ好きだったりする。
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