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「今、俺が生きてるって証明して欲しい。」
「証明……?」
思わず声が漏れた。
証明が欲しいもなにも、お前は確かにここにいるじゃん。
しばらくの間の後、すっと真尋が立ち上がった。
「……なんてね!ごめん。疲れすぎて病んでたわ。今の忘れて!」
俺に背を向けて、ぐっと伸びをした。表情を見せない彼の背中が、余計に寂しく見えて、何も言ってあげられない自分に情けなさを感じる。
「さーて、三好たちが待ってるから行くかー。」とワイシャツに手を通しはじめた。
「おい。」
真尋はボタンを留める手を止めて、顔だけこちらに寄越した。ぎゅ、と力一杯彼を抱きしめてから、優しく唇を合わせる。
「……え、何?」
ぱちぱちと数回瞬きをした後、不思議そうに俺を見てくる。
「俺は今、真尋とキスをしてドキドキした。」
「……うん…?」
「真尋は、どう思った。」
「え、俺……?急にびっくりしたけど、俺も、なんかドキってした……。」
「そう………。」
「なんだよ。聞いとくだけ聞いといて。」
顔を覗き込むようにして、近づいてくる。
そのまま、もう一度抱きしめると今度は真尋も背中に手を回してくれた。
「なんか上手く言えないけど、こうしてドキドキするのも、悩みがあって苦しく感じるのも、ちゃんと真尋が生きてるからだよ。」
「……………。」
「それが証明になるかは分からないけど。
これから不安になったら頼ってよ。一応、彼氏なんだし。」
「うん…………。」
力強く俺のカーディガンを握って、顔を埋める。
胸の辺りが温かく濡れているのを感じて、優しく頭を撫でた。
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