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一日一回は見る光景で、明日は我が身かと思いつつ、さっきまで怒鳴りつけていた上司を盗み見れば (眼付き悪ッ!!) 眉間にシワ寄せて明らかに怒り心頭 まさにその風貌は鬼そのもの 荒木 陣(アラキ ジン) 俺の今所属している営業担当の課長 そして直属の上司であり、周りからは『鬼課長』と恐れられる人物 ただ恐れられているのは怒鳴り散らす行動だけじゃない 最も恐れ入るのは、莫大な仕事量を難なく熟すその課長の能力の高さ その為、抱えている案件に使う資料のせいで机の上は常にグチャグチャ 怒鳴る度に、その書類がバサバサと落ちるが気にした気配を微塵も感じてない 態度は最悪 性格は大雑把 でも、仕事はピカイチ 真っ正面から正論見せ付けて部長達に説明する姿は、凄いの一言 だけど… 「おいっ明日の会議の資料は出来たのか!」 やっぱ恐ぇ! その一言に尽きる ただこの時、これから起こるであろう課長との出来事は まだ俺は想像も予感もまったくと言っていいほど、知らなかった 月末から月始めはバタバタ慌ただしく残業なんて事はザラにある 取引先の打合せ、締め日、来週に控えている会議の準備など色々と。 その忙しい日々が少し落ち着きを取り戻した真ん中の週 そして今日は金曜日 さらに同じ課の事務の女の子が寿退社 と、来れば 「佐和ぁ、置いてくぞ~」 「分ぁてるって。つーか武藤、てめぇの机の上、ヒドい。少しは片付けて行けって」 「そんな暇ねーし。早くしないとドヤされっぞー」 「このっ」 隣の席に座る同僚の武藤が急かし始める 仕事が終わった俺たちが行こうとしている場所は、もちろん居酒屋であって 新しい門出を祝うお祝いの会と、日頃の疲れとストレスを発散させる為の様な飲み会が待ち構えていた

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