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第3話 - ①
鬼課長の家
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「おぉ遅かったな~、この歳で迷子か佐和?」
「違いますよ!この前、酒しか無いって課長言ってたじゃないですか。
それ思い出して、買い物してたら遅くなったんです」
玄関開けて早々になんだこの言われようは。
でも、俺の両手に抱えた買い物袋を見て
でかした!
さすが俺の部下!
肩をバシバシ叩いてのこの手のひら返しよう
さらには
「やっぱお前って気ィつくよな。あれだろ、あれだほれ。
何でもほっとけねぇタイプで、手伝ってやってたら全部やらされている残念な奴だろ、違うか佐和?」
マジ帰ろうか……
『今度はウチに来い』
そう言われて、ホントに来た課長の家
すっげぇ楽しみで、玄関開けて出て来た課長のTシャツとジーパン姿のラフな格好とか
セットしてない下ろしている髪型がいつもより若く見えて
心臓バクバクしてたのに、早くも鬼の先制攻撃にやられそうだ
「さっさと入れ、寒ィんだからよ」
俺、一応……客だよな?
「………お邪魔します、うわっ酷ッ!
なんか物が落ちまくってるんですが、課長…掃除ってしてます?」
「掃除?ああ、たまにな~」
あり得ない
仕事場のデスクも酷いが、その比じゃない
玄関にマヨネーズがあるぞ?
たまにって絶対嘘だ!
「あ~そうだ、佐和。酒はたっぷりあるからな!
今日は寝れねぇから、覚悟しとけ!」
いや覚悟もなにも、もうやられまくってますよ……
足の踏み場に困る様な汚い玄関についに降り立った俺は
鬼課長の住む鬼ヶ島に一歩一歩と足を踏み入れた
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