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第6話 - ①

鬼課長から見た部下 ■■■■■■■■■■■■ 「荒木課長ッ、お、お疲れ様です!」 「ああ、………お疲れさん」 「会議、終わったんですか?今日はいつもより長引いてましたね。 あ、良ければ今コーヒー落としたんですけど、荒木課長も飲みませんか?」 「じゃあ……佐和、頼む」 「は、はいっ!」 嬉しそうな笑顔を隠しもせず気持ちの良い返事をしてダッシュして行く部下の 佐和 泰時(さわ やすとき) 確かまだ25歳の若造 勤務態度はいたって真面目 細かい所に良く気が付く本人の性格からか、面倒見がイイのと合間って自分の仕事以外の仕事も 同僚から押し付けられていたりと遠目から見ても…… (可愛がられている奴だと思う) 分け隔て無く接する優しい態度に 背も高い、顔もイイ と、なりゃあ……モテるのは当たり前か 社内でコイツの話をする女子達もいるとも聞く なのに…… 「か、課長ッ、お待たせしました!あ、熱いので気を付けて下さい」 なんでその笑顔を俺に向ける 分からねぇ まったく持って分からねぇ 可愛い欠片もねぇ今年39、もう40歳目前の男に何でそこまで花を飛ばせれるんだ? あいつの目には俺が小さくて可愛い女に見える……な訳ねぇな 188センチの身長の俺が女に見えたらそれでこそ、病院に行けッ と、一喝している所だ 「あの……課長、濃かったですか?」 「いや、……っんまい」 「ッ、ッ、あ、ありがとうございます!」 だから なんで俺に懐くのか分からねぇ

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