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「うっっ美味ェ、なんだこりゃ! 飲みやすいくせして口当たりもいいッ、こんな日本酒は初めてだ! それに……くぅ~、このわさび菜がまた乙じゃねぇか。鯛の煮付けも、美味!」 「荒木課長に気に入って貰えて良かったです。課長、どうぞ!」 酒が無くなり、それに気が付いた佐和がすぐつぎ直す 俺の家に着いた後、あっという間に何品もの料理を作りあげ 今、宅飲み真っ最中となっているが…… 「おぉう、ありがとさん……んく、ぷはっ」 つくづくコイツはマメな奴だと感心する 料理も全部が全部、俺好みの味付けにオマケに手際の良い事 美味いと連発すれば、めちゃくちゃ嬉しそうに笑顔になる佐和を見ると、悪い気はしねぇし (コイツが女なら惚れてるな…) そう頭に過ぎる そんな事を考えてしまうほど、何かフワフワして来た 旨さに負けてどんどん酒も進んで… (気分が、イイ) 「あっ、課長。頬っぺたにゴハン粒付いてますよ」 「ぁあ?」 佐和の声と同時に指先が頬に触れていた 綺麗な指がしっとりとしていて、撫でられると温もりがジンワリ拡がっていく 取れましたよ、課長…… そう言って笑う佐和の手が離れた のを思わず…… 「佐和…お前の手、気持ちイイな」 掴んでいた 「へッ!?て、てて、手!? と、突然なんでって、か、か、課長!?も、もしかして…よよ、酔ってます?」 「ぁあ?んな事ねぇよ、誰が酒に呑まれるかってんだ!」 「いや、いつも呑まれに呑まれてー…」 「あ?だから酔ってもねぇし、お前に触られると気持ちイイんだからよ、感じた事言ってなにが悪ィッ」 何気無く吐いた言葉 次の瞬間… 「ウゲッ!!」 体に衝撃と重みが襲いかかる

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