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③
「うっっ美味ェ、なんだこりゃ!
飲みやすいくせして口当たりもいいッ、こんな日本酒は初めてだ!
それに……くぅ~、このわさび菜がまた乙じゃねぇか。鯛の煮付けも、美味!」
「荒木課長に気に入って貰えて良かったです。課長、どうぞ!」
酒が無くなり、それに気が付いた佐和がすぐつぎ直す
俺の家に着いた後、あっという間に何品もの料理を作りあげ
今、宅飲み真っ最中となっているが……
「おぉう、ありがとさん……んく、ぷはっ」
つくづくコイツはマメな奴だと感心する
料理も全部が全部、俺好みの味付けにオマケに手際の良い事
美味いと連発すれば、めちゃくちゃ嬉しそうに笑顔になる佐和を見ると、悪い気はしねぇし
(コイツが女なら惚れてるな…)
そう頭に過ぎる
そんな事を考えてしまうほど、何かフワフワして来た
旨さに負けてどんどん酒も進んで…
(気分が、イイ)
「あっ、課長。頬っぺたにゴハン粒付いてますよ」
「ぁあ?」
佐和の声と同時に指先が頬に触れていた
綺麗な指がしっとりとしていて、撫でられると温もりがジンワリ拡がっていく
取れましたよ、課長……
そう言って笑う佐和の手が離れた
のを思わず……
「佐和…お前の手、気持ちイイな」
掴んでいた
「へッ!?て、てて、手!?
と、突然なんでって、か、か、課長!?も、もしかして…よよ、酔ってます?」
「ぁあ?んな事ねぇよ、誰が酒に呑まれるかってんだ!」
「いや、いつも呑まれに呑まれてー…」
「あ?だから酔ってもねぇし、お前に触られると気持ちイイんだからよ、感じた事言ってなにが悪ィッ」
何気無く吐いた言葉
次の瞬間…
「ウゲッ!!」
体に衝撃と重みが襲いかかる
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