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第9話 - ①
新たな出会い
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「課長、来週の出張の件なんですが、いいですか?」
「ああ、どうした?」
俺が話し掛けると持っていた資料を覗き込む様に顔を近づけてくる荒木課長
(ぐっ…良い匂いッ)
気のせいか以前よりも距離が近くなった気がする
仕事は相変わらず自分に厳しく、相手にも厳しくをスタンスに手を抜く人には怒鳴り散らしてはいるけど
前よりもスンナリとそばに来てくれて
そしてなにやりも…
「なんだ佐和?聞いてるのか?」
(ぐう可愛なんですけどッ)
俺の視線に気づき微笑んでくれる課長に、ドキドキが止まらない
「いいか?ここはターゲット顧客は20代男性だろ?ならー…」
会社のオフィスじゃなければ
周りに人がいなければ
力いっぱい抱きつくことが出来るのに。
ゆっくりと動く唇を指でなぞれば驚き戸惑い、固まるであろう課長にキスをしたくて堪らない
「あ、あの課長…」
「ぁあ?」
「その…出張中、その…」
「だから、なんだ?」
来週、1週間の出張が決まってから思っていた事。
この頃は週に3いや4日は上手い事を言って、課長のお家にお邪魔しているのが日課になっていた
それが…
(1週間も荒木課長に会えないとかムリッ)
美味しそうにご飯をかけ込む姿
酔っ払って俺に甘えてくるデレデレな感じ
意識ある時にキスすれば、最初は嫌がるのに、おずおずと課長からも舌を絡めてくる仕種
それを1週間も感じれないなんて、禁断症状になる
だからせめて…
「よ、よ、夜に電話してもー…」
意を決して、ずっと言おうとしていた事を言葉にしようとした時
「よぉ、荒木ッ。相変わらず図体も態度もデカいな」
俺の話を遮るように
荒木課長の後ろから突然、そいつは現れた
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