56 / 93

(誰だ…?) 鬼課長とも恐れられている荒木課長に、軽口を叩き、終いには肩を組む馴れ馴れしい態度 「ぁあ?なんだ、お前か…… 態度はお前の方がデカいだろうが、森」 「久しぶりだな、荒木」 お互いの腕をバシバシと叩き、笑顔で会話し始める 荒木課長に負けないぐらい背が高く、年齢も同年代ぐらいか。 課長がガッシリしたガタイの良い体型なら、森と呼ばれた人は、細身のシュッとした体型 「で?お前、なんでここにいるんだ?おいおい、まさか…」 「そう言って内心嬉しいんだろ?今日からよろしくな」 その後、部長によって集められ皆の前で紹介された人 森 祐二(モリ ユウジ)課長 俺のいるシマとは別の営業課長として新しく赴任してきたと分かった 隣の席の武藤いわく 荒木課長と同期入社で新入社員では荒木課長と同じく群を抜いて営業成績は優秀 人当たりが良く、支店配属がすぐさま本社へ、それから海外へと飛んでいたらしい それは良いとして…… (だから距離近いっつーのッ) 課長同士だからとは言え、打ち合わせするのは分かる 分かるけど、ひっきりなしに側に居る事ないだろう その度に背中に手を添えたり、肩に手を置いたりスキンシップが激しくないか? それに… (俺だって課長と喋りたいのにッ) 荒木課長と一緒にお昼を食べようと向かえば、森課長とすでに出掛けた後とか 引き継ぎで一緒に外出したかと思えば、そのまま直帰したとか 「あーーっ、マジもう無理だっ!」 ただでさえ来週会えないのに、すでに禁断症状が発症し始めていた

ともだちにシェアしよう!