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④
「は?なに、言って…」
「荒木の事だから、佐和を巻き込みたくないとか思っているんだろ?」
「ーーっ」
その通りだ
自分が足枷になるなんて、反吐が出る
「私と付き合っていると言えば、理由は出来るだろう?なに、付き合って見えるようにするだけだから。
佐和もきっと理解してくれるだろうし、ただの部下と上司に戻れるよ」
分かりやすい理由だったら
佐和も納得する……
「私は世間体を気にもしないが、佐和はそうはいかないだろう?まだ若い、それに仕事が出来るなら尚更…
彼の事を思えば、そう感じないかい?」
佐和を思えば…
そうだ、分かりきった事だ…
「今後、荒木のせいで彼が好奇の目で見られても、嫌だろう?」
「ちっ、当たり前だッ」
「だったら、もう答えは出ているんじゃないかい?
なに一緒に働くのが気まずくなると思っているんだったら、異動も出来るだろうし」
至極簡単な事…
そう答えは出ている
「どうだい、手伝うよ」
森の手が俺の手を握る
救いの手のように思え
優しい微笑みの森にグラリと心が揺れた
「佐和の為に出来るかい?」
ヒナが最初に見たものを親と勘違いする刷り込みのように、佐和も何かの勘違いで今、俺に執着しているだけだろう
俺があいつにしてやれるのは…
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