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それからおもむろに、課長が缶ビールを出してくれて自然と出張先の話しに。 地域が変われば人も変わり、商品の売れ筋も客層によって変化していた事や 工場内の視察では普段見る事は出来ない内容を知れて、バタバタしてはいたけど充実した1週間だった事 それから地元の人しか行かない居酒屋で食べた料理が美味しくて、今度作ってみるので課長に食べて貰いたい事 毎日報告の電話を入れてはいたが、喋り足りないのもあって話しが尽きない なんせ1週間ぶりの課長がすぐそこに居て… (あ〜〜可愛いッ) 時折、相槌を打ちながら、でも話を遮る事はしないで聞いてくれる課長にまた嬉しくなる 「あ、それで荒木課長、工場長が元気か?と。それと今度奢れ、とも言ってましたよ。 仲良いんですね」 「はっ、仲が良いわけじゃねぇよ。俺が新人の頃、無茶言って来やがってどれだけこっちが苦労したか。同期メンバーと走り回って毎日サービス残業でよ、奢って貰うのはこっちだッ」 楽しそうに、でも悪態を吐く課長 忘れていた訳じゃないけど、『同期』の言葉でまたモヤモヤが膨れ上がった 「課長…、その」 だから、どうしても引っかかっていた事を、意を決して… 「森課長とはなにも…無かったんですか?」 言葉にする

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