45 / 101

第45話

「真。俺達はこれから死ぬまでずっと一緒にいるんだぞ。セックスなんてこれからいくらでもできる。俺達は恋愛期間なしで、いきなり結婚したから、色々ゆっくり進めるのも悪くないって俺は思っているよ」  どうして樹はこんなに俺の欲しい言葉をくれるんだろう。  望まぬ妊娠をして、突然幼馴染と結婚が決まって。  体は刻々と変化をして、階段を上り下りするだけでもきつい。  俺はそんな変化になれようと必死だった。  樹はいつもそんな俺の一番近くで助けてくれる。 「真?」  押し黙る俺に樹が首を傾げる。 「いや、俺の幼馴染こんなにいい男だったかなって」 「そうだよ。気付くの遅すぎ」 「調子にのるなって」  俺が笑って樹を小突くと、樹も笑い声をあげた。  ようやく笑いが収まって隣を見ると、穏やかに微笑む樹と目が合う。 「真。キスしていいか?」  キスは毎日、何度もしていたがあらためて聞かれると恥ずかしい。  頬を染め、頷くと直ぐに樹の唇が降りてくる。  樹が俺のうなじを掴み、俺の唇を舌でなぞる。  俺が招くように唇を薄く開くと、肉厚の舌がするりと口内に滑り込む。 「んんっ。うんっ」  あまりの気持ちよさに声がでる。  その瞬間、樹が俺に腰をおしつけた。  樹のスエットの前は硬くなっている。  俺は少しも躊躇わずに樹のスウェットと下着をずり下げ、赤黒い屹立を露出させた。 「真」  樹が焦ったように名を呼ぶ。 「いいから。好きにさせろよ」  自分も下半身だけ裸になり、樹の屹立と自分のモノを一緒に握った。 「すげえ、やばい。興奮する」  樹が俺のパジャマの上のボタンを外し、尖りきった乳首に喰らいつく。 「あんっ」  ジュっと吸いつかれ、コリコリと甘噛みされる。 「いいっ。あんっああ」  俺が下肢を弄る手を止めると、樹が俺の手ごと包み、擦りたてる。 「あっああ」 「くっ」  同時に白濁を放ち、樹が俺の唇にチュッとキスを落とす。 「気持ちよかった」 「俺も」  嫌悪感も恐怖もちっともなかった。むしろすごく興奮して、頭の中にもやがかかったようだった。  恐れていたのが馬鹿みたいだ。 「続きする?」  問うと樹が困り切った表情で俺を抱きしめる。 「いや、多分俺激しくしちゃうから。それは産まれてからにしよ」 「了解」 「でも、もう一回していい?」  樹が濡れた手をまた上下に動かし始める。  俺は頷く代わりに樹の唇を求めた。

ともだちにシェアしよう!