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第92話

「今日は恋人気分で、お互いの事だけ考えないか?」 「俺達そういう時間なかったもんな」 「まあ、いきなり子育ても楽しかったけどな」   樹が寝室に俺を抱きあげたまま入り、ベットに俺を降ろす。 「今日は俺だけを見て、俺のことだけ考えて。真」 「うん、分かった。愛しているよ。樹」 「俺も愛してる。運命だとか関係ないよ。お前の番は永遠に俺なんだから」  樹が俺の服を脱がし、乳首に噛みつく。 「ふぅ、ううっ」  俺が樹の頭を撫でると、樹はざらつく舌で何度も俺の乳首を弾いた。  「あっ、イイ。気持ちイイっ」  普段は押し殺している声を抑えることができない。  樹と家に二人だけなんてヒートの時以外になくて、俺は開放的な気分になっていた。 「真。もっと声を聞かせて。お前の甘い声を」  俺の服を手早く脱がせた樹は膝立ちになると、Тシャツを脱ぎ捨て、自分のズボンと下着を降ろした。  樹の赤黒く勃ちあがったモノを見て、俺はごくりと唾を飲んだ。 「真。四つん這いになって」  言われた通りにすると、樹はすぐ俺の尻の狭間に顔を埋めた。  後口をチュパチュパと吸い上げられ、俺の腰が揺れる。 「あっ、ああ、そこ。……ダメッ。舌入れないで。あっ、あんっ。舐めちゃやっ、やっ、いっ」  樹が後口にぐにゅりと舌を押しこんだ瞬間、俺は果てた。   ぱたぱたと白濁がシーツに落ちる。 「真。入れるよ」  樹が俺の腰を掴むと、ゆっくりと俺の内部に巨大な熱を捩じこむ。 「あ……ああ、イイの。そこっ、ん」  樹は自分の屹立を根元まで入れると、腰を回した。前立腺を掠められ、俺は背をしならせた。 「あ、イイ」  触ってもいないのに、俺の屹立が硬くなる。  樹が俺の背に覆いかぶさった。 「真、好きだよ。好きだ。愛してる」  樹はそう囁きながら、俺の首筋に歯をたてた。 「痛っ。あ、あああ、あんっ」  首を噛む瞬間、樹が奥まで腰を突き入れた。  何度もそれを繰り返され、あまりの気持ち良さから俺の腕はがくりと落ち、腰だけ突きだす格好となった。  容赦なく噛んでくる樹の犬歯から逃れようとは思わなかった。  むしろ痛みさえ覚える樹の行動にあられもない程感じてしまい、中にいる樹を無意識のうちに締め付けてしまう。

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