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第4話 採寸(5)(*)

 十二曲分──あと十二回も、こんな想いをするのだろうか。  だが、言い出した以上、負けたくない。  放り出されてしばらくは、平衡感覚すら危うかったハナは、膝に手をついて、震えながら息を整えた。 (あと、十二回……)  紳士然とした態度で寝室のドアを開けたテラは、ハナに嫣然と笑いかけた。 「よく耐えた。上出来だ、ハナ」  ステージで踊った一時間半よりも消耗させられた気がする。  それは、ハナにとって、初めての鮮烈な性体験だった。

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