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第16話 兄の提案(4)
「それって、認めてくれる、ってこと?」
「結論を急ぎ過ぎるな。つまりな、あのプライドがエベレストみたいな男に、お前は狙われているんだ。あの性格がクソ難しい奴が、お前に頭を下げて「させてくれ」と言ってきた場合のみだ、許すのは。決してお前の方からいくんじゃないぞ! わかったな?」
「う、うん」
「お前もテラに誓えるなら、俺に対してもちゃんと誓え。決して、自分からはしないと。いいな?」
「わ、かった」
迫力満載の声で唸るようにして、奇妙な制約を課してきた明だったが、この「自分からしない」というルールが、どんなハンデになるかを、この時、ハナは全く予想だにしていなかった。
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