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第21話 出立(2)(*)

 ハナの葛藤を知らないテラは、しばらく黙って映画を見ながら、ぽつりと囁いた。 「まだ時間がある。きみに悪戯しても……?」 「はい……」  ハナは二つ返事で頷いた。声に期待が込もってしまうのも、無理からぬことだった。  許可を取り付けると、テラはハナの額にひとつ、キスをする。刹那、スイッチが入り、身体がゆっくりとテラの色に染まりはじめる。  ジャケットを脱がされ、シャツをはだけられると、室温に肌がピンと張る。テラの少し冷たい指先がシャツを潜り、敏感になった肌に接着すると、意図せず声が出た。 「んっ」  ソファの上で半裸になったハナを、テラは恭しい手つきで蕩かしていった。指で嬲られ、反応が顕著な場所には口付けを落とされる。触れ方が濃厚になるに従い、ハナはずるずるとソファへ横倒しにされてしまった。  明るい陽の光の中でされる悪戯は、淫靡な疚しさに満ちている。脇腹に口付けが落とされると、ハナは小さく震えて、最初の波を何とかやり過ごした。 「こうして、きみに触れるのも、しばらくお預けだな」 「っ」 「きみは、ここが好きだ」 「ぁっ」  唇を噛み締めて衝撃を逃すハナを、まるで揶揄うように、極限まで灼こうとするテラの熱に、否応なく震える。が、くるだろうと思った愛撫が脇に逸らされると、さらなる熱が湧き、息が上がった。 「きみが好きな場所に、キスをしても?」 「は、い……っ」 「ここが好きだと、認めるんだね」  指で触れられただけで感じてしまう胸の尖りを、口内で弄ばれたら、どうなってしまうだろう。ハナは想像するだけで欲情して、前を硬くしてしまっていた。 「ふぁ……っ」  ぢゅうっ、と音を立て、片方の乳首がテラに食まれる。熱くて柔い場所を舌で潰されると、大きな快楽が弾けた。強く吸われ、先端を甘噛みされ、舌先で転がされると、わずかに残っていた矜持さえ、蕩けて、使いものにならなくなっていく。唾液が垂れて溢れるほど愛されて、唇が離れてゆく頃には、見るからに鮮やかに色づいて、尖がってしまっていた。 「素敵だ。下を、苛めても?」 「ん、んっ」  このまま下をされたら、はしたない声を上げてしまいそうで、怖かった。が、敏感すぎるほどに反応を返してしまっているハナは、真っ赤になりながら、こくこくと頷いた。  テラと逢えるのは、今日が最後で、次は新年を跨がなければならない。互いに寂しさを素直に表現できず、もどかしさが募っていった。  勃起した前はじんじんと疼き、解放を求めている。ソファに横倒しにされ、膝を開かされた刹那、ハナの身体から発せられる香りが、ふわりと甘く変化した。

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