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第21話 出立(10)(*)
意を決したハナが呟くと、上腕の柔らかいところを、テラに噛み付かれた。今まで噛まれたことのなかったその場所が、テラに歯を当てられただけで、性感帯に変わるのを感じる。
「きみのいいところは、全部わたしのものだ」
「ひぅ……っ」
「わたしのものになってくれ、ハナ」
「……──っ」
喘ぐハナに、テラはたくさん痕をつけていく。乳首は吸われて赤く尖り、感じる場所にくまなく印を施された。身体中を愛撫され、それまではただの皮膚だった場所が、次々と新たな性感帯に塗り替えられていく。
テラが、下着越しに存在を主張している、ハナの先端の割れ目を、指でこそげた。
「ひん、っ、ぁあっ」
「腰を上げて」
下着を下ろすために、ハナにその動作を強いる。
羞恥にまみれながら腰を浮かせると、唯一、ハナの肌を覆っていた布地が取り去られる。
「膝を、ひらいて」
「っ」
テラの身体が脚の間に入った状態で、膝を開いたらどうなるか、わかる。できない、と目で懇願したが、テラは微笑して待っている。
「このままずっとこうしているつもりか? わたしは楽しいが」
「ぅ、っ……」
揶揄されると、負けず嫌いな一面が顔を出し、ハナは、じりじりと膝を開くことを、自らに課した。拳二つ分ほど、脚を開くと、膝裏を肩につくほど持ち上げられ、変な声が出てしまう。
「素敵な眺めだ。……もうこんなにしているのか」
テラの視線のある場所が、熱を感じて頭をもたげる。その裏筋にテラの人差し指が接着し、下から上へと撫で上げた。
「はっ、ぁあっ」
たまらなくなり、ハナが喘ぐと、テラは片方の膝裏を持っているよう言った。
羞恥にまみれながら、自分の膝を片方、持ち上げる。するとテラの指がハナの雄芯を握り、上下に扱いた。
「ぁ、ぁっ」
濡れた音が、ハナの羞恥を煽り、継続的に与えられる快楽に、次第にわけがわからなくなってゆく。
後蕾にテラの指が接着した頃は、前からトロトロと透明な液が垂れて、腹や下生えを濡らしていた。感じていることを知られた状態で、あられもなくその場所を晒すのには、かなりの葛藤があった。ぴたりと閉じた状態の後蕾を、揉み込むように指が接着し、オメガの愛液で濡れたそこを、くち、ぬち、と音を立てて捏ねられる。
「力を抜いて」
やがて、後蕾がわずかに綻びをみせ、テラの指に吸い付くような動作をはじめた頃、テラは囁くと、一本だけ、指をハナの内部へねじ込んだ。
「そう。上手い。──ああ、きみの中が、うねっているのがわかるか?」
「ぁ……ぅ、っ」
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