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第21話 出立(11)(*)

 きつい抵抗が中に生まれ、ハナは違和感に眉を顰めた。ぬぐ、ぬち、と卑猥な水音をさせたテラの指が、腹の中に入っていることが、信じられない。テラを迎え入れることを幸せと感じる一方、あさましくなる身体に、テラが呆れないか不安だった。  が、懊悩を続けるのも、内部を探っていたテラの指がある一点を掻くまでのことだった。 「っ……っ!」  内部を耕すように探っていたテラの指が、その場所を押した刹那、今までとは比べものにならない衝撃が、ハナの身体を駆け抜けた。 「はぁ、っ、ぁっ……!」 「きみの好きなところを、見つけた」 「好、き……っ? っぁあぁっ……!」  視界がチカチカと明滅し、明らかに質の異なる快楽が、ハナの全身に、蝕むように広がる。その場所を掻かれると、テラに扱かれた茎は上を向き、さらに涙を流し続けた。腹の中が潤み、無意識のうちにテラの指を締め付けてしまう。我慢できない種類の愉楽が骨の髄から湧き出て、ハナの理性を蝕む。 「ゃぁ、っ……! ん、はぁ……っ!」  あまりの衝撃の強さに、ハナは怯え、とっさにテラの腕を掴んだ。 「だ、め、それ……っ! 許し……」  だがテラは、ギリギリの状態で抵抗を示したハナに、無慈悲に言った。 「他のことなら、いくらでもきみの無理を聞いてあげられるが、今は駄目だ」 「で、も、っぁ! ぁ、ぁあっ、あぁぁっ……っ」  目眩で頭がクラクラし、もうどれほど喘いでいるかすら、わからなくなりそうだった。後蕾が収縮を繰り返し、テラの指を奥へと誘う。あのきれいなテラの指に、内部を犯されていると思うと、気が狂いそうだった。 「これが、きみの、いいところだ。覚えなさい。いいね?」 「ぁ、んんっ、ん、ぅ」  何度もその場所を押されて、ヒクつく後蕾が蕩けてゆく。羞恥が快楽に圧倒され、喜悦の感覚に塗り替えられてゆく。天を衝いて勃起したハナの先端からは、まだ白いものこそ混じらなかったが、トロトロと快楽の証が溢れ、下腹を汚していた。 「素敵だ、ハナ」 「ぁっ、ぁ……」 「ギアをもう一段、入れるが、いいか?」  言うと、テラはハナの頷くのを確認してから、静かにその頭を、ハナの脚の間へと下ろしていく。かと思うと、指を食んでいる場所を、そっと舌先でなぞった。 「っひ……!」  灼熱に反応して、きゅっと後蕾が締まる。 「ゃ──ぁ、それ……っ」  そんなところ、汚い。  ハナがなけなしの理性を総動員し、テラの視界から、見えるそこを遮ろうとすると、無情にもテラはその手を振り払い、さらに深く後蕾にくちづけた。舌が、中に挿入ってくるのが、生々しくわかる。

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