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第11話
……気持ちよかった。
性懲りもなく抜き終わったあと時枝七彩さんが何かSNSをやっているのではないかと勘付いたので、調べてみるとツイッチャーをやっていた。
丁度、何分か前に呟いていた。
内容は今日発売したらしいCDの宣伝と、今日の番組出演のこと、自分が受けではないという主張がされていた。
…‥‥いや、あなたは受けです。
その呟きに呟くファンたちが次々と俺が思ったことと同じようなことを言う。
この呟きを見ているファンの殆どが今日発売のCDを聞いたようだった。
俺も負けていられない。明日にでも買って帰ろう。
ほう。こういう時は『#なーちゃんは受け』というハッシュタグをつけるんだな。
時枝七彩さんのことはなーちゃんというのか。
発見がたくさんあるな。
な、何だこの呟きは!
俺のなーちゃんに『嫁に来て欲しい』と呟いたのはどこのどいつだ!!
なら俺も…。
『好きです。』
よし。
いや、待て。俺は断じてゲイではないし、ましてや『俺のなーちゃん』ではない。
俺はなーちゃんが好きなのか。
もうすぐで7時を回る。
テレビの前に行かなくては。
リビングに行くと伊藤が録画したのを確認した。
予定時刻まで時間があったので友達に電話する。
あいつは大抵2コールで出る。待ってたのかというレベルで速い。
「明日は空いているか。」
「うん!空いてるよー!どしたー?てかドタキャンするのにひとことってどーゆーこと?」
「俺の不眠がかかっていたんだ。仕方ないだろう。出かけるからついて来い。」
「あー。はいはい。手に入れたいものが見つかったのね。お坊ちゃま。」
「む。その言い方は勘に触るが、CDを買いたい。どこかいい店を知っているか。」
この男、そう。ずっと不真面目な声で話しているこの男は俺が生まれた時から隣にいる結構厄介な俺の幼馴染みだ。
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