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「分からない」

 勉強を終えて、寝る準備をして、快斗と布団を敷いた。 「快斗――――……明日、何時起き?」 「起きるのは7時位でいいかな。目覚ましかけたよ」 「うん。分かった」  隣に並んだ布団にそれぞれ入って。  オレが先に布団に転がると。 「電気消すね」  言いながら、リモコンで電気が消されて。オレンジ色の光。 「……愁さ、明日、楽しみ?」  聞かれて、快斗の方に視線を向ける。 「うん。……当たり前じゃん」 「……オレと恋人でいくんだよ?分かってる?」 「分かってるよ」 「それでも楽しみ?」 「……うん。すごい、楽しみ」  言うと、ぷ、と快斗が笑う。 「……楽しもうな」  そんな声に、うん、と頷く。  それから、少し、黙る。  黙ってから、ぼー、と考える。  今の、どういう質問なんだろ。  恋人としていく、それでも楽しみ?って。  恋人としてでも、なんでも、快斗と行くなら楽しみに決まってる。  敢えて何で聞くんだろう。  なんて、色々考えていたら。    ……どうしよう。  なんか、変にドキドキして、眠れなくなってきた。  明日、恋人として過ごすって。  ……これにこんなにドキドキしてるオレって。  どう考えても快斗が好きだって。嫌ってほどに、分かってるんだけど。  正直今日だって、めちゃくちゃ優しくて、好きとかいっぱい言われて。  もともと快斗が大好きだったのに、そんなにまっすぐ「好き光線」出されて、好きにならない訳、ないんじゃないだろうかと思っちゃうし……。  オレって……どうなれば、思い切って快斗にOKできるかな。  今までだって、快斗のこと、好きで。  誰より大好きで。  もう、快斗がこっちにきてからは、キスが嫌じゃない時点で、友達を好きな気持ちより、ずっと上な気がしてるし。  オレが快斗の事、全部好きで、もう、はっきり言って、今すぐOKしても良い位、好きだと思ってる事も。快斗にだって、バレてるんだと思うし。  じゃあなんで、いま、いいよって、言えないんだ。  ……って。 もう死ぬほど考えてるけど。  ……分からない。  ただこの関係が、その好きだけに、変わるのが、怖い、のかな……。  男同士の恋愛、だけになっちゃうのが……?  ……今なら友達でもあるし、幼馴染で、ただただ大好きっていう。それは、誰にでも言える関係だけど……。  …………ああでも――――…… なんかよく分からない。   快斗は何年でも待つなんて言ってるけど、そんなの全然現実的じゃないし。  もう告白されてから、4ケ月、放置してきて、それだけだって、快斗、よく、オレのこと待っててくれてるなと思うし。ちゃんと早く、決めて、答えないとダメだと思うし。

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