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「混乱…?」

「……愁、まだ起きてるよな?」  少し小さめの声で、言った快斗に、うん、と答えた。 「なんかさ」 「うん」 「……オレ、ずっと待つ、とか言いながらさ――――……焦ってる、とか思う?」 「え……ううん、むしろ……よく待ってくれてるなと、思うけど……?」  そう言ったら、快斗がくす、と笑った。 「なんか、ブレてるんだよなー……色々」 「ブレてる?」 「……何年でも待つって思うし。でもOKなら早く答え欲しいって思うこともあるし。……手は出さないって決めてきたのに、キスしたいし…… どれだけ好きか思い知らせたいとかも思うし。 なんか、自分でもびっくりする位、ブレて――――…… ちょっと混乱してるかも……」 「――――……」 「……オレがブレてると、愁も混乱するよな……?」 「……ちょっと、考えていい?」 「ん」  それきり、快斗は黙る。オレも黙って、今快斗が言ったことを一生懸命考えてみる。    混乱。  ……は、してない。  オレの答えが出るまで何年でも待ってくれるっていうのは、快斗の優しさで。でも、早く答えて欲しいって思うのは当たり前だし。  結論が出るまで手出さないって決めて来てくれてた快斗が、分からせてやるのもありかなって、言いだしたのだって……。  オレが先に、キスしたんじゃん……。  それに、実際そうなった時にできないかもとか、心配して聞いたのも、オレじゃん……。  ていうか、混乱させてるのって。  どう考えても、オレだよね…… 「快斗は……ずっと、ちゃんとしてると思う……」 「……」 「言ってること、ずっと、筋通ってるよ。混乱させてるのはオレな気がする……ごめんね……」  ……なんか。ほんと、ごめんね、と、思ってしまう。  オレが言って、しばらく黙っていた快斗は、んー、と声を出してから。 「愁?」  改めて、オレの名を呼んだ。 「……うん?」  返事をすると。 「そっち、行ってもいい?」 「え。こっち?」  今、全然考えてなかった質問だったので、どきっと、胸が急に弾む。   「……いい、けど……」  いいけど…… いいけど、なんなんだろ。オレ。 「……いい、よ?」  言い直すと。  益々、すごいドキドキしてくる。……やばい。  それ以上何も言えないでいる内に、快斗が隣に移動してきた。  仰向けに寝てた、オレの隣に、快斗も仰向けに転がる。 「――――……」  ドキドキドキ。  ……なんだこれ。  何か二人でただ仰向けで寝てるだけなのに。  心臓が破裂しそうなんだけど……。

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