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第8話

※?視点 昼下がりの教室での事… 周りが騒がしくて、机に伏せていた顔を上げた。 最近、学院中が一つの話で賑わっていた。 ー学院に神話で出てくる姫がやって来たー この吸血鬼の生徒のみがいるブラッドクラスも例外ではない。 俺?……俺は興味がない、うるさいの嫌いだし… 人間なんて、ただの餌だし…誰でも同じだ…あ、なんか病気持ってる奴以外な。 また寝ようとしてふと、横を見ると窓の景色が見えた。 今まさに例の姫様が元気よく飛び回ってる。 それをニコニコしながら受け入れてる男がいた。 またマギカクラスが発狂するな…「僕らの王子様が汚れるー」とか でも、長年共にいた俺は知っている…… 今にも殺気が滲み出てそうな顔だ。 俺はそれが可笑しくて笑いを堪えていた。 すると俺に被さるように影が出来た。 見なくても誰か分かりため息を吐いた。 「……随分楽しそうですね、貴方も彼に興味が出てきたんですか?」 「…それはねぇよ、アイツに興味がある周りが変人ばかりなんだよ」 「ふふっ、目先の姫より何処にいるかも分からない初恋の相手を探してる貴方に言われたくありませんね」 窓と反対方向を見て睨むと、吸血鬼の次期王である俺の従者である男が爽やかオーラを出しながら微笑んでいた。 昔は散々初恋の話をしては、この男にからかわれたのは苦い思い出だ。 そして姫に絡まれてるあの男は魔法使い側の次期王であり…まぁ、幼馴染みという奴だ。 仲は良くも悪くもないがな。 そして神話の話に基づき、俺達は姫の紋様がある奴と結婚しなくてはならない。 今は未確認だが、あのやかましい姫は学院公認の姫だ……認めたくないけど… だから現実逃避したくなるんだよ。 ……俺は泣き虫で愛らしい初恋の相手を探している。 訳あって一回しか会えなかったが……俺の愛しい人。 あぁ…考えるだけでも興奮するなぁ… 「……あー、噛み跡残しとけば良かった」 「相手はただの人間ですよ?そんな事したら即行で架院様に袋叩きにされますよ」 アイツ…大人しい顔をして凶暴だからな。 俺達ブラッドクラスと架院のマギカクラスは対立が凄まじい…だから、俺達王子が中立の立場にある。 …個人的に俺と架院は対立しているが…恋敵なんだ、仕方ない。 俺達はボーッと外を眺める。 架院がさっさと姫と結ばれれば俺があらゆる理由で逃げられるというのに… ……あー、あの子に会いたい。 そしてその数時間後、学院中が転校生の話題で騒がしくなるなど、俺達はまだ知らなかった。

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