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第56話※誓司とXXX
「はぁ…瑞樹様は煽るのがお上手ですね」
「…あ、煽ったつもりは…」
指が引き抜かれて、その衝撃で体が切なく震える。
誓司先輩が俺に覆い被さり耳元で「瑞樹様」と呼ばれるとまた体が熱くなってくる。
もう何回もイったのに、限界を知らないほどバカにでもなったのだろうか。
ヒクヒクとするところに熱くてかたいものが押し当てられた。
指だけであんなに乱れてしまって、もっと強い刺激が来たらどうなってしまうのだろうか。
期待と不安で誓司先輩を見つめると、軽く唇が合わさった。
「大丈夫ですよ瑞樹様、俺は貴方に酷い事はしませんよ」
「……俺で先輩も気持ちよくなって下さい」
「瑞樹様っ!」
誓司先輩が中に入ってきて、シーツを強く握りしめた。
引っ張られる感覚がぞくぞくして中を満たされる。
繋がっているんだ、心も体も誓司先輩でいっぱいだ。
体が密着して誓司先輩は小さく息を吐いた。
苦しそうだ、本当に気持ちいいのか不安になってくる。
誓司先輩が慣らしてくれたからそんなにキツくは感じないが、動きたいのだろうか。
「誓司先輩、動いていいですよ」
「…っ、でも…瑞樹様は辛くないですか?」
「俺は大丈夫です、貴方に与えられるものなら何でも嬉しいです」
誓司先輩は目を見開いて俺を見つめた。
いつかの似たような事を誓司先輩は言っていた。
俺も誓司先輩の愛を直に感じて似てしまったのかもしれない。
でもそれはとてもいい変化なのかもしれない。
誓司先輩が動かないから俺の腹の奥が疼いてしまい、ゆっくりと腰を動かす。
少しの刺激だけできゅんと締め付けてしまう。
誓司先輩は俺の腰を掴んでギリギリまで引き抜いてから全部埋め込んだ。
「あぁぁっ!!」
「っは、瑞樹様、瑞樹様っ」
掠れた声で誓司先輩は名前を呼び、俺の中を刺激する。
一番感じるところを刺激されて、短く喘ぐ。
ぐちゅぐちゅと混ざり合う音が響いて中が絡み付いているのが俺でも分かった。
深いキスをして誓司先輩を愛し、愛される。
俺も緩く腰を動かすとその倍の強さで刺激を与えられる。
ヤバい、もうイきそうだ。
「あっ、うぁっ!!あぁぁっ」
「瑞樹先輩っ、気持ちいいですか?」
「いっ、いいっですっ!せんぱっ、あんっ」
「ここが一番締め付けてきます」
「そ、そこっ、へ…へんんっ!いっ、イきそっ」
「はっ、ぁ…俺も…出そうです…瑞樹様、中に…いいですか?」
もう俺はまともに喋れなくて、必死に頷いた。
誓司先輩のがほしい…本能がそれを求めている。
俺自身も気持ちよく果ててほしいと思っている。
より深く強く中に押し込まれてその刺激でイってしまった。
腹の中が熱くなっている、先輩もイったみたいだ。
意識がだんだん薄れる中、ずっと握っていた手に二つ輝くものが見えた。
俺と誓司先輩の愛の指輪だ。
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