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◇付き合い記念*圭4

 なんだかやたらイチャイチャしながら。  やっとのことで食べ終えて、2人で食事を終えて片づけて、寝る準備を済ませて、2人で寝室に来た。 「高瀬、シャワー浴びたんでしょ?」 「ん、浴びたよ」 「何でセーターとジーンズだったの?」  寝室で部屋着に着替えてる姿を後ろから見ながら、そう聞くと。 「織田の電話が近くからなら、迎えに行こうと思ってたから」 「――――……迎え、来ようとしてくれてたの?」 「ん」  着替え終わった高瀬が、ベッドに腰かけてたオレの隣に座る。 「……ありがと、高瀬」  ベッドの上で、隣に座る高瀬が。  …………カッコよすぎて。  うう。  ドキドキが…………。  固まっていると。  ぎゅ、と抱き締められた。 「……織田」 「……っ……高瀬……ち、かすぎ……」  ベッドの上で密着して抱き締められて、ドキドキで死にそうな気がする。  ぷ、と笑われて。何を思ったか、高瀬の手が、すると服の中に入ってきて。  胸に触られて、ドキドキがさらに跳ね上がった。そのまま強張ってると。 「――――……心臓がって、いってるの、これ?」 「……っ……」  コクコク、めっちゃ頷いてしまう。  っそうだよ。つか、なんていう確かめ方するんだ。  余計、心臓が痛いって……。  頷いて、恨めしそうに、見上げてしまう。 「……オレの事、殺す気でしょ……」 「……んな訳ないだろ」  おかしそうにクスクス笑われる。 「んー……」  後頭部に回ってきた手に、更にぎゅと抱き寄せられて、そんな風に唸られて。 「たかせ?」  聞いた瞬間、すり、と胸をなぞられて、その手が乳首を掠めた。 「っ」  びく、と震えた瞬間、ちゅ、と頬にキスされた。 「――――……明日用事ない?」 「……うん」  頷いて、高瀬を見上げると。  肩を押されて枕の上に仰向けにされて。押し乗られた。  見上げると。  ……ほんとにドキドキして。息が止まる。 「――――……抱いていい?」  ストレートな言葉に、かあ、と赤くなる。けれど、すぐに覚悟を決めた。  だって。  ……オレも。  ちゃんと恋人として、したい、し。  答えを待ってくれてるその首に腕を回して。くい、と引いた。  ちゅ、とキスして、少し離れる。  と。 「え」  高瀬がきょとん、として。  オレを見つめたまま、数秒。 「……っそ、そんな見なくても……っ」  かああああっと赤面して、視線を逸らそうとすると。  頬に触れられて、それを阻まれる。 「……初めてだろ、織田からキス」  至近距離で見つめられて。  何も答えられずに、息をつめて、次の言葉を待ってると。  目の前の高瀬の顔が、ふ、と綻んだ。 「――――……もっかい、して?」 「……っっ」  キス位で、なんで、こんなに恥ずかしいんだ。  ――――……オレ、ちょっと前まで、女の子に、キス、してたよな。  してたよな、幻じゃないよな。  ……よく平気で、キスなんか、してたな……。  どうやってしてたんだっけ。  まさかの今更に、キスの仕方に悩む日がくるとは。 「……っ……」  もう一度首にかけた手に力を込めて、高瀬を少し引き寄せて。  ゆっくり、唇を重ねた。 「――――……」  重なった唇の間で、くす、と笑う高瀬。   「?――――……ん!……」  高瀬を見ようと少し離れようとした瞬間。  後頭部を押さえつけられて、いきなり舌が挿し入れられて。 「……ッん……」  深くキスされる。 「ん、ん……っ……っ……」  舐めつくされるみたいな感じで、キスされて。  離されると同時に、熱い息が漏れる。 「――――……織田、可愛い」 「……っ……なにが、可愛いんだか、わかんない……」 「――――……え、なんで?」 「……高瀬、可愛いって……いうけど……」 「だって、可愛いし」 「――――……全然、わかんない……」 「……ふーん……?……」  ちゅ、と頬にキスされる。 「……わかんなくてもいいけど……」 「――――……」 「……可愛いって、オレが思ってる事だけ、分かってて」 「――――……っ」  もう、何も言えない。  ……っっほんと。  ――――……困るし。  そんな、優しく、笑われると。  ――――……むり。  ――――……力が抜ける。 

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