「……あのさ、織田」 「……ん、ん？」 「こないだ、何されたかは、ちゃんと覚えてる？」 「……あの。……ところどころ……飛んでるのかも……」 「そか――――……じゃあ、今からするのは、全部、覚えてて」 「…………っ」 　こくこく。 　恥ずかしいので、とりあえず、めっちゃ頷くだけ頷いておく。 　ぷ、と笑う高瀬に、キスの続き、とばかりに唇を奪われる。 　…………息、が、無理。 　………………心臓が、止まりそう。 　オレ、どーやって、こないだ、全部したんだろう。高瀬と。 　声とか。出してた？　出してたよね、確か。 　…………絶対酔ってた。 　よく出来たな、高瀬と、そんな事。 　どうしよう。 　どうしたら。 　心臓、バクバクしすぎて。 「織田？……緊張してる？」 「…………ごめん、あの……」 「うん」 「……こないだの……覚えてるけど……なんか……酔ってて……」 「うん。知ってる」 　くす、と笑われる。 「大丈夫。初めてだと思って、優しくするから」 「――――……っっっ」 　ダメだ。 　オレ今、めちゃくちゃ赤くなってる。 「……っ高瀬、あの」 「目、つむってても良いよ」 　くす、と笑って。 　高瀬がオレの頬に触れる。 　そのまま、キスされる。 　高瀬はオレの手首を掴んで引き寄せると、そのまま背をベッドに倒して、オレを組み敷いた。両手首は、顔の、横。 　高瀬を下から見上げるって……。 　……もう、この姿勢が、恥ずかしすぎて。 　顔から熱が引かない。 「……織田」 　ちゅ、と頬にキスして。 　顔熱いね、と、クスクス笑う。 　真っ赤な顔のまま、高瀬を見つめ返すしか、出来ない。 　何も、言えない。 「――――……オレの事、好きって顔……」 「……っ」 「ほんと、ずーっとしてくれるの、すげえ可愛いんだけど」 「…………っっっ」 　自分を至近距離から見つめる高瀬の瞳。 　しかも言われてる事も、めちゃくちゃ恥ずかしいし。 　……オレ、一体どんな顔して、高瀬を見てるんだろう。 　もうほんとにドキドキ、しすぎて。 　心臓が、壊れる。気がする。 「……織田？」 「――――……」 「……涙目、やめて。可愛すぎるから」 　クスクス笑う高瀬。 　っ泣いてなんか、ないし。 　泣くわけないし。 　……そう思うのだけれど――――…… 　もう、なんか、いっぱいいっぱい過ぎて。 　滲む涙を、止められない。 　オレ何才なの。ほんとに。やばい。 「――――……こないだしてる時、何回も、好きって聞いたよ……」 「　……ッ」 　言いました。確かに。覚えてる。 「酔ってたから言えたってだけで――――……本音だろ？」 　そのまま、頬に、ちゅ、とキスされる。 　くすぐったいし、ドキドキするし、もうオレは、もう――――……頷くしかできない。 　めちゃくちゃ動揺してる隙に、見上げた唇を塞がれた。 「……ん……っ」 　深く重なってくる唇。　舌が、入ってきて、ぎゅ、と瞳を伏せた。 「……ったか――――……」 　顔を背けて、一瞬名前を呼んだけれど、顎を押さえられて、またキスされる。 「……っ――――……ん……っ」 　もう、どうしたらいいのか、わからないまま、キスに翻弄される。 「……っん、う……」 　キス、されるって――――……。 　されるっ、て、恥ずかしすぎて……。 　自分のタイミングじゃない、攻められ方。 　声が勝手に、漏れて――――……や、ばい。 　はぁ、と漏れる息が、熱い。 「織田――――……」 　唇の間で呼ばれて、ふと瞳を開けると、至近距離から、まっすぐな視線に、見つめられる。 　なんでこんなにカッコいいんだろう。 　オレがカッコイイと思うパーツをすべて集めたら、高瀬になっちゃうんじゃないだろうか。 　て、オレが今考えるべきなのはそんな事じゃないのに、 　もう、なんか、ちゃんと考えられない。