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◇付き合い記念*圭8

    昨日は、意識を失うみたいに眠りについて。  目が覚めた時には、もう明るくて。朝日がカーテンから漏れていた。  起き上がって、見回すけれど、高瀬の姿はなかった。 「――――…はー…」  昨日のこと。前の時よりも、はっきりと覚えてて。  ――――……超恥ずかしい。 「…………」  でも。  ――――……高瀬がオレにすごく優しくて。  めちゃくちゃ、愛されてるみたいに、抱かれたのも、すごく思い出されて。  恥ずかしかったけど――――……  好きだと思って、してくれてるのも、ちゃんと、感じられて。  なんてそんな事考えてたら、かああっと顔に熱が集まってきて。  その時。  ドアが静かに開いて、高瀬がそっと顔をのぞかせた。 「……あ、起きた?」  オレと目が合うと、ふ、と笑んで、部屋に入って近づいてくる。  黒の長袖のTシャツにジーンズ。  似合うなあ。カッコいい。  てか、何着ててもカッコいいけど……。  ……なんていってる場合じゃない……。  ぎし、と音を立てて、ベッドに腰かけて。よしよし、とオレの頭を撫でてくる。 「おはよ、織田――――……体、大丈夫?」 「……だ、いじょうぶ」  クスクス笑いながら。高瀬に見つめられる。 「――――……混乱してる?」 「……今回はもう、大丈夫」  そう言うと、高瀬は、ふ、と微笑んだ。  ……うー。  どーして、こんなにカッコいいんだろうか。  高瀬に、ドキドキしなくなる日、くるかなあ…。  来ないかもなー……。  手を取られて、引き寄せられて、ぎゅと抱き締められる。 「――――……織田」 「……うん?」 「オレ、ほんとにお前が好きだから。……ずっと一緒にいような?」  頬に触れて、すり、と撫でてくる。 「……っ」  言ってくれた言葉を理解した瞬間、また頬がカッと熱くなって。  こんな風に、照れるというか、赤くなるというか、こんな事、ここ数年…… というか、思いだせる限り、ほとんど無かった現象で、もうどうして良いか分からない……。 「……は。 お前、ほんと、すぐ赤くなるな?」  ……だから、オレ、高瀬の前以外で、赤くなることなんて、  ほんと… 無いんだって…。  って、きっと言っても信じてもらえそうにないので、言わない。  ――――…だってオレ、高瀬の前で、赤面してばっかり。  顔に血が上っちゃうのを、抑える方法って……あるんだろうか。  勝手にのぼっちゃうんだから、もう、どうにもできないのかな……。  今度、赤面の防止方法を、調べてみよう……。  なんて、考えていると。  クスクス笑った高瀬の顔が近づいてきて、唇を重ねられて。  ぎゅと瞳を閉じていたら。   「……可愛い」  くしゃ、と髪を撫でられて。  また唇が重なる。 「……っ……!」  うう。  ……絶対もう、無理、  赤面防止方法なんて、調べたって無駄。  こんなふうにキスされて、こんなふうに見つめられて、  可愛いなんて、撫でられたら、もう、死にそうに恥ずかしいから。  ドキドキして、心臓が痛い。 「これから、よろしくな、織田」  嬉しそうに笑う高瀬に。  うんうん、と頷いて。 「よろしく、高瀬」  オレも、めちゃくちゃ笑顔になってしまった。

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