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◇付き合い記念*圭9

  「織田、起きてこれる?」 「うん」  オレが頷くと、優しく笑う高瀬に、またときめく。  もう。   女子か……。  女子なのか、オレ。  でもななんかもう、「ときめく」という表現以外使いようの無い感情が……。 「シャワー浴びてきな? タオルとか服、置いてあるから」  頬に触れながら、高瀬が優しく言う。  ……何でこんなに声まで良いのかな。  ほんとに。ここまで、魅力的すぎると、逆に迷惑……。  ほんとに。  ……高瀬じゃなかったら、絶対、男と、こんな事になってないのに。  イケメンなんて、別に普通に周りに、いつでも居たし。  色んな魅力があってモテる奴らだって、今まで何人も見てきてるし。  今まで、一ミリたりとも、男に心が動いたことなんて、なかったのにな。  ……でも、ダントツで高瀬が一番カッコいいんだけどな、うんうん。  ………ってだから、これだよ。もう。  ああ、もう、なんでオレ、こんなに高瀬の事、好き過ぎて……。 「……また面白い顔して」  ぷ、と笑われて。ぎゅ、と抱き締められた。 「……え?」  面白い顔、してた??  不思議がっていると。  オレを抱きしめたまま、高瀬の体が揺れる。 「今何考えてたの?……ほんと、おもしろいなー織田」  笑いをこらえてる…というか、こらえきれずに、笑ってるけど。  そんな姿まで、超カッコイイし。  優しい瞳で、笑いながら、頭、撫でられると。  もう、何も、言う言葉はなくなる、し。 「――――……」  ――――……高瀬とかなり一緒に居たけど……。  嫌いなトコ、ホント思いつかないんだよなぁ……。  カッコいいとこしか、無い。  いつかどこかで、そうじゃないとこ、見る時がくるのかなあ。  ……無さそうだけど、なんて思ってしまうくらい。  会った時から、ずーっと、カッコイイままで。なんなんだろう、ほんとに。  振り仰いで、高瀬を見上げる。 「ン?」  微笑んで、見つめ返されて、思わず。 「……高瀬って、何でそんなにカッコいいの??」  そう言ったら。 「何だそれ――――……それ、考えてたの?」 「……うん」 「……ほんと面白いな」  クスクス笑いだした高瀬は、オレの髪をクシャクシャ撫でると、ベッドから立ち上がった。 「ご飯用意しとくから、シャワー浴びてきて」 「――――……うん、ありがとう」 「ん。待ってるから」  言いながら、ふ、と笑って、高瀬は部屋を出て行った。  ……ぽふ。と枕に沈む。  ダメだ。  強烈すぎて。ついていけないよう……。  一目惚れする位カッコよくて、優しくて、なんでもできて、  オレを好きって、いっぱい言ってくれて……。  これからオレって、少しは、高瀬に、慣れていくのかなあ……?  友達で居る時からドキドキしてたのに、あんな風に触られて、キスされたりしてたら。  もう、ずっと、ときめき大爆発して、ずーっと、浮かれてそうで。  ちょっと落ち着けーと、自分に言い聞かせてから。  ゆっくり、起き上がった。

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