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◇大好きすぎ*圭1

「――――……ん、ん……」  夢見てた。  高瀬の、夢。  優しく何か言ってくれてる、夢。  すごい、幸せで。  目の前に居る高瀬に、キスした。  夢だから、いいやと思って。  高瀬が何言ってるか分かんなかったけど、  とりあえず、キスしてみた。  ――――……? あれれ。  なんか、すごい、苦しい……。 「……ん……っ……んん……?」  息苦しさに、突然覚醒、した。  あれ? 夢じゃない?  あれ、高瀬?  あれ、高瀬、風呂上り?  いつ、帰って――――…… あれ?? 「……んっ……? たか、せ??」 「――――……」  高瀬の腕に手をかけて、少し押して、唇を離す。 「……っあれ、いつ、帰って――――……」 「帰ったら、織田、寝てた」 「あ、うん、ごめん、……っ……ん、ん?」  ソファに倒されてて、上に高瀬が居る。  高瀬の腕を押してた手首を掴まれて、頭の横に軽く押さえつけられて。  唇が重なって――――……容赦のない、キス。 「――――……っん……は……っ……」  朦朧としてくる。  ―――……いつも、だけど、激しい。  もう、なんか、ほんとに、何も考えられなくなってしまう。  キスがどれくらい続いてるのか、もう分からない。  角度を変えて、何度も何度も、重なる。  抑えられた手首はもうとっくに離されていたけれど、しがみつくしか、できない。 「……やっば―――……おさまんねえ」 「……んん、ん……っ」 「――――……あーもう……可愛いな……」 「……っあ……」  素肌に手が滑って、脇腹をなぞりあげた手が、胸に這う。 「……っン」  最初触れられた時は、恥ずかしいのとくすぐったいのだけ、だったのに。  何度か抱かれて、弄られてる内に、違う感覚が襲ってくるようになってて。 「あ、……や、だ……」  まだまだ未知の感覚に、思わずそう言った唇を、また塞がれる。 「……っ……ふ……」  涙が滲む。  される立場って――――…… 恥ずかしすぎる。  しつこい位に弄られて、すっかり反応した自身がもどかしくて、腰を引いた。その動きに、高瀬がすぐ気づいて。 「――――……気持ちよくなってきた?」  そんな風に聞いて、真っ赤になったオレの、涙の滲んだ瞼にキスする。 「……っ……」 「……また泣いてるし……」  くす、と笑って。 「――――……泣き顔、可愛くて、無理なんだけど……」 「……っ……」 「これ、わかる?」  腰を押さえられて、ズボン越しに、押し付けられる。  反応してるそれには、その刺激だけでも、辛すぎて。 「っ……っや、……」 「――――……織田触ってると、オレすぐこーなっちゃうんだよなー……」 「……っん、ん、や……おしつけ、ないで……」 「ん?……嫌?」 「……っ……っ……出ちゃうってば……っ」 「――――……はー。もう、バカなの?織田」  そんな風に言った高瀬に、ズボンと下着を脱がされてしまう。 「先にご飯たべさせてあげようと思ったのにな……」 「……っ」 「キスしてきたりするから、いけないんだからな……」 「――――……っっ」  その高瀬、夢だと思ってた……。  そう思うけれど、言葉にする前に、直接触れられて。  言葉は出せない。 喘ぎを、かみしめるだけ。 「――――……っっ……」  今まで生きてきて。高瀬とこうなるまで、  自分の意志以外で、イく経験なんて、無かった。  強制的に、快感を高められて、今までにない位、どうしようもなくなって、達するしかなくなるって――――……  ほんとに、慣れなくて、怖い。 「……っ……ん、……っ……」  唇をひたすら噛みしめてたら、高瀬が、ふ、と笑う気配がして、ちゅ、と頬にキスされた。 「――――……そんな、固まらなくていいよ……」 「……っ」 「オレ、可愛がりたいだけだから……」 「……っ……」 「されるのがまだ怖いなら、抱き付いてて」  優しい言葉に、胸が痛い。  もうなんか。  高瀬大好きすぎて。  ……愛しすぎて。 「……高瀬、大好き……」  ぎゅっと抱きついて、ちゅう、とその唇に吸い付いた。 「……っ……つか……もー、ほんとに……」 「……っん……」  また急に深くキスされて。 愛撫が激しくなって。  ……そのまま、めちゃくちゃ、愛されてしまった。

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