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◇旅行*拓哉4
「……ん、……ぅ……っ……」
あんまり激しくキスすると、いつも、縋るようにしがみついてくる。
「……た……か――――……っ……」
ああ、オレすっげえいま――――…… やばい。
めちゃくちゃ、しちまいそう……。
「――――……んン、う……っ」
なんでオレ、こんな一瞬で、こんなヤバいくらい、盛り上がってんだ。
「ん、……ん……っぅ…… 」
――――……声、可愛い。
もう、キスだけで、織田が感じるのも、知ってる。
「た……っ……たか、せ……っ」
焦ったような声がして、顔をぶる、と振られる。
「――――……何……?」
キスを外されて、不満で聞いたら、焦ったように。
「……っしようと、して、る??」
「してる……」
「……待っ……っっ ごはん、さげに、きちゃうよっ」
「――――……」
「……食べないと、おかしい、よ……っっっ」
「――――……んー……」
さらに抱き寄せようとするのだけれど、じたばた織田が藻掻いてる。
「……たかせってば……っ」
「――――……っ」
「……オレ……も、したいけど……がまん……」
「――――……っ」
――――……バカなのかな、お前。
そんな事言われると、衝動が増すばかり。
――――…… 腕の中で、泣かせたい。
「……っ……あ、や、だってば――――……」
「……」
「……無理……むり……っ」
「……」
「……あとで……ゆっくり、……しよ?」
「――――……っっ……わざと?それ」
「……え」
「余計、おさまんないんだけど」
抱き寄せて、その首筋にキスした。
「……っ……わ、もう……っ……やだ、無理、高瀬……」
「――――……」
「っ来たらどうすんだよ、無理、そんなの気にしてできない」
わーん、とばかりに、焦って泣きそう。
――――………は。 ちょっと、落ち着いた。
それでも、あんまり抵抗されたまま離すのも癪で。
「キスだけにする」
「――――……」
その唇を塞いで、緩く、キスした。
目を伏せた織田を見つめて――――…… 仕方なく、唇を離した。
「――――……ごはん、食べよっか」
「……あ。 ……うんっっ」
ものすごくほっとした顔をして、織田が、ぱ、と笑った。
「――――……そんな喜ばれるとなー……」
「ぇ。あ……ごめん……」
苦笑いの織田を、ぎゅーと、抱き締めて。
すり、と髪に頬を寄せる。
「――――……高瀬……ごはん、たべて、お風呂いこ?」
「……ん。そーする」
諦めて、手を離す。
織田が向かい側に座って。
まだ赤い顔で、いただきます、なんて言ってるのを見て。
ほんと可愛いな、なんて思ってしまうあたり。
自分でも不思議。
――――……誰かを、こんなに可愛いって思う日が来るなんてな。
……しかも、「男」に欲情する日がくるなんて。人生初の位の盛り上がりだし。
分かってる。夕飯食べ終わったら下げにくるし。
こんなとこで本気で最後までなんて、思ってないけど。
でもなんか、可愛すぎて、離すのが遅れてしまう。
と、織田が困り切った顔してるし。それも可愛すぎるんだけど。
ちょっと抑えないとなあ、と反省しつつ。
オレ――――……どんだけ、好きなんだろ。
織田の事。
知り合ってから今まで、ずっと可愛いと思ってたけど、
諦めていたから。
それが、叶ってしまうと。
どんどん、止まらなくなってる気がする。
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