「……何で、オレの事、そんなに好きって言ってくれるの？？」 　真顔で、そんな風に聞かれて。 　織田の顔をまじまじと、見つめる。 「何で好きか？」 「うん。……何で？」 「オレ、こないだも言ったけど……いつも楽しそうなとことか、一生懸命だったり、織田の側にいると和むし。素直なとこも人懐こいとこも。あと、笑った顔、好きだし。　あと、オレの事、大好きなとこ？」 「――――……っ」 　好きな所をただひたすらあげていったら、黙って聞いてる織田の顔が、どんどん赤くなっていって。 　途中から俯いてしまった。 「――――……っ……最後のって何」 「だって織田、会った最初から、オレをすっげえ見るしさ」 「……っっ」 「もう最初から、可愛くてしょうがなかったというか」 「――――……」 「あとはもう……もともと好みなんだと思うけど。　顔も、じーっと見てくるとこも、声も。しゃべり方も好きだし」 「……もっ……もういい、ごめん、もう大丈夫」 　ぷるぷるぷるぷるっ 　首をこれでもかと振って、オレから顔を逸らす。 　大丈夫って――――……。 　超、照れてる。……可愛い。 「なあ、織田？」 　頬に手をふれさせて、自分の方を向かせる。 「……織田は、なんでオレを好きなんだっけ？」 「――――……っ」 　どんどん赤くなってく。 　顔からだったけど、今は全部好きって、こないだは言ってたっけ。 　今は照れまくってるから、言わないかな……。 「……聞きたいなー」 「……っ……」 「……好きじゃない？」 「……っ好きに……決まってるけど……っ」 　どんどん、耳まで赤くなっていく。 　ほんとに、「赤面」て、こんなに見事にするんだなあ……。 　ほんと、可愛い。 「そのさ――――……すぐ赤くなるのも、可愛い」 　その唇に、キスする。 「……っ……ふ……」 　ああ、もう、可愛い――――……。 「……っ……ん……ぅ」 「――――……」 　深くキスして舌を絡めると。 　ぴく、と震えた織田が、きゅ、と腕に触れてくる。 「……――――……んん……っ」 　舌を吸って、頬から耳に指を滑らせる。 　びく！と織田が震えた。 「そういう反応も好きだし。ていうか。好きじゃないとこ、無いよ」 「ちょ、待って……待って、ヤバいから、ストップ」 　真っ赤になって止められて、クスクス笑いながら、織田を離した。 「高瀬、もう。ほんと――――……　手加減してよ……」 　ん、と笑って、織田の頭を撫でる。 「とりあえず、うち、行こうか。　用意してきてくれる？」 「……ん、待ってて」 　そう言って、織田が準備をしに、離れて行った。 「高瀬ー」 「んー？」 　奥の部屋から織田の声。 「どれくらい服とか、持てばいい？」 「……５日分？」 「え、オレ毎日高瀬の家帰るの？」 「土日の分も。　てか、ずっと？」 「高瀬……」 　織田の笑いを含んだ声が聞こえる。 「嘘、適当でいいよ。こんな近いなら、途中で取りに来ても全然いいし。オレのも貸せるのあるし」」 「ん。分かったー」 　織田に答えながら、オレの目の前には、織田の写真がある。 　コルクボードに、切り貼りした写真がペタペタと貼られていた。 　どれも、超笑顔。ほんと可愛いな。 　昔から、こんな感じかー……。 　……ていうか、あんまり笑顔が変わっていないっていうのが、すごいな。 　織田ってずーっと、このままかな……。　 　なんて勝手に想像していると、なんだか可愛く思えて、ふ、と笑ってしまう。