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◇織田の事ばかり*拓哉

 ――――……マジ、疲れた。  シャワー浴びないと、と。  思うのだけれど。  ベッドに腰かけて、そのまま後ろに倒れたら、一気に眠気が襲ってきた。  ……織田、どうしてるかな――――……  2時半……寝てるよな――――……声、聞きたいけど……  ――――……織田に、触りたいな。  抱き締めて。  キスしたい。  そのまま一緒に布団入って、寝たい、な……――――……。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「――――……」  急に目が覚めた。  今、何時――――……。  起き上がって、時計を見て。4時。  ……倒れたまま、寝たのか、オレ。 「――――……シャワー……」  だるい体を起こすために、わざと呟いて、立ち上がる。  寝てたの、1時間半位か……。  シャワーを熱くして、頭から浴びる。  しばらく浴びてると、少し目が覚めてきた。  ……今日って、もう、木曜か。  本社の方も色々あって、バタついてるって言ってたよな……。  さっき久しぶりにスマホ触ったけれど、遅すぎて連絡を入れる訳にもいかないし。きっと織田の方も、疲れて帰って寝てまた会社、みたいな感じなんだろうな……。  あー。なんか。  ――――……疲れてるせいか、すっげえムラムラする。  織田に触りたい……。  考えてたらますます、ヤバくなってきた。 「――――……」  ――――……そういえば織田で抜いた事とか、無いな。  何でだっけ……―――……つか、そっか。そういう意味で好きだとはっきり認識してから伝えて実際に触れるまで、あっという間だったからか……。 「――――……抜けんのかな……」  今までにない位、織田に興奮してしまうのは、もう分かってるんだけど。  ……想像でも、いけんのかな。  シャワーを浴びたまま。  自身に、触れてみる。  結果。  即反応して。――――……抜ける事確定。 「……――――……」  ……ヤバいな……。  全然普通に出来てしまった。  疲れてて変に興奮してるからか……ちがうか。  オレに抱かれてる時の織田、想像したから……だな。  熱いシャワーで流しながら、はー……と息をつく。  ……織田って、オレで抜いた事、あるかな。  ……多分、無いだろうな。  聞いたら、たとえ無くても、真っ赤になるんだろうな……。  想像しただけで、可愛いかも……。  ――――……火曜は少しだけ声聞けたけど、水曜は結局話せなくて。  今木曜の4時だろ…… 8時に先輩と食事に行くから……それでまた夜までか。  仕事中、誰もスマホに触ってたりしないから、スマホを出すのも躊躇われる。しかもオレ、あそこだと、一番下っ端だし。  トイレ休憩で連絡、とも思ったけど、頭がそっちに行かないというか、仕事の事考えながらトイレだけ済ませてすぐ戻る、みたいな感覚だから、なかなか連絡もできず。  織田と知り合ってから、ずっと一緒に働いてきたから。  織田が横に居ないと、こんなにめげる仕事なのかと、実感。  ……まあ、めげる仕事の中でも、修復という最もめげる作業を今してる訳だから、仕方ないけど。 でもきっと、ここに織田が居てくれたら、オレもう少し明るい気分で仕事してるんだろうけど。  まー……試練だな。  たまには、仕方ないか……。  どんだけ普段、織田にメンタル支えられてんだか。  シャワーを止めて、体を拭いて浴衣を着た。  ドライヤーで適当に髪を乾かして、歯を磨いて、ベッドに入る。  浴衣の織田に触りたい。また温泉連れていきたい。  ……なんて、浴衣からまた思い出す。  たぶん今は、ぐっすり、寝てるんだろうな。  ――――……なんかごめんな、お前浮かべて、あんな事して。  これ伝えたら、死にそうな位真っ赤になりそうで。  想像したら、ぷ、と思わず笑ってしまった。   1人で何笑ってんだオレ――――……。  なんか、頭ん中、ずっと織田の事ばかりだな……。  どーなんだ、こういうの……。  そう思うけれど。  ――――……織田の事が好きすぎて。  思い出すと、なんだか、気持ちが、あったかい。  織田に対して浮かぶ感情は、初めて感じる事が多すぎて、戸惑うけど。  ほんと――――…… 悪くないよな……。  あとで、先輩に会う前に、連絡入れてみようかな……。  ちょうど通勤途中、だよな……。  少し早めに、目覚ましをかけて。目を伏せた。  

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