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◇重い事?*圭

「えと……とりあえず、色々気を付ける、ね」 「うん」 「高瀬もね……?」 「ん。分かった」  とりあえずそこで、二人で気を付けるって事で落ち着いて、話は終わった。  ……何だかな。  オレが高瀬のモテすぎを心配するのは、ほんとに、分かるんだけど。    高瀬がオレの心配するとか。  ほんと、不思議。  心配とか、全く必要ないんだけど。  オレ、ほんと、自分でもびっくりする位、高瀬の事が大好きなのに。  ……一緒に暮らせば。もっと一緒に居るから、こんな風に、心配かけなくて、済むかな。  ――――……一緒に住む。  うん。嬉しい。んだけど。 「ね、高瀬。もう何度も聞いてるんだけど……。最後の最後に、もう一回だけ確認していい?」 「ん、いいよ」 「オレ、ほんとにここに来ていいの?」 「うん。オレは、来てほしい」 「引っ越しちゃったら、簡単に、帰るーとか、出来ないけど……ずっと、居ちゃうけど……いいの?」 「良いに決まってる」 「うん。 分かった。ありがと」  そう言うと、高瀬は少し微笑んでから。 「……じゃあオレも最後に、確認していい?」  高瀬にそう言われて、うん、と頷いて見つめ返す。 「オレとずっと一緒に居る事になるし。……一人暮らし、快適だなと思ってた事があるなら、そういうの、少し違うことになると思うけど」 「――――……」 「……それでも、大丈夫?」  言われて、色々パッと浮かぶこと考えてみたけど。 「オレ、一人より、高瀬と居たい」 「――――……」 「一人暮らしで楽な事もあったけど……高瀬と居れたら、幸せだと思うから。だから、全然大丈夫」  何の迷いも浮かばなかったので、そうはっきり言ったら。  高瀬は、何だかとっても嬉しそうで。ぎゅー、と抱き締めてきた。 「じゃあ。もうほんとに、すぐ一緒に暮らそ」 「うん。……ごめん、何回も、確認して」 「いいよ。ていうか、それだけ、結構なことなのも分かってるし」 「うん。――――……あれだよね、人事にさ、住所変更届け出すんだよね」 「あと役所も。転居届」 「会社の人には、話す?」 「一緒に暮らす事になったって、言っとこ。家賃半分になるとか。そう言っとけば、別に誰も、怪しんで来たりしないだろ」 「うん」 「隠して変にうろたえてると、逆にあやしいし」 「わー、オレ、それ、すごいあてはまりそう」  あはは、と笑うと、高瀬はクスクス笑って、オレをじっと見つめた。 「別にオレは、最終的にバレるのもありだから、何かでバレてもいいよって、覚えといて」 「……いいの?」  じっと高瀬を見つめながら聞くと。  ん、と高瀬が笑う。 「もし会社居辛いなら、独立して仕事してもいいし」 「……そっか。高瀬は今でもそれ出来そうだもんね。……分かった、じゃあオレもなるべくスキルアップしといて、いざとなったらそういうのもありって、思っておく」  そっかそっかそういう作戦もあるんだな、うん。  この仕事にしといて良かった。  ていうか、この仕事にしてなかったら、そもそも高瀬に会えてないしな。  あの会社に入って良かった。  色々考えて、一人うんうんと頷きながら納得していたら、高瀬が急にクスクス笑った。 「それは、最終的に、変な形にバレたら、の話だから」 「うん」 「バレても、どーなっても、オレは織田と別れない方法を探すって言ってるんだよ。分かる?」 「うん。分かる。オレも探す」  めちゃくちゃ嬉しくて、うんうん頷くと。  高瀬は、じー、とオレを見て、少しだけ、困ったように、苦笑い。 「――――……オレ今、結構重い事言ってるんだけどなあ。そんな嬉しそうだと……」 「ん?」 「意味、分かってる?」 「分かってるよ。……多分」  言って、思わず、笑ってしまう。 「笑ってるし。織田」  言う高瀬も、笑ってる。 「だって……嫌だったら重いかもだけど。全然嫌じゃないから、重くないの、全然。だから……意味は分かるんだけど、全然平気だよ」 「――――……」  しばし見つめられて。  そのまま、またぎゅー、と抱き締められる。 「……オレ、ほんと、織田が好き」  ちゅ、と頭にキスしてる高瀬。  うわ。  ……なんか。  めちゃくちゃ、嬉しいけど。  ……すっごく、照れる。

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