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第222話◇キュン死?*圭

 いつからだっけと考えてみると、高瀬のことしか見てないのは……入社式、からだ。  その後は、ずーっと、高瀬だけ、見てたかも……てなると、もう長らく、高瀬のことしか、見てないな。  そう考えると、オレの、「高瀬のこと大好き熱」って、激しすぎ……? ひゃー、でもだって、カッコよすぎるし、優しいし、もうなんか、ほんと大好きすぎて。しょうがないと思うんだけど、これ、気持ち悪がられたりしないかな、マジで。うーん……。  むむむ、と考えながら、もう一杯、お水を飲んで、コップをカウンターに置いた時。 「……織田?」 「ひゃぁ!!」  いつの間にやらすぐ隣に来ていた高瀬の声に、滅茶苦茶飛び上がる。 「――――……」  プッと吹き出されてしまう。超笑われたと、固まってるオレに、そのまま笑いながら。 「ごめん、オレも、水くれる?」 「っ……このコップでいい?」 「うん」  オレが水を注ぐのを見ながら笑っていた高瀬は、ありがと、と受け取ると、その水を飲みほした。  間接キス……とか思うのはもう、頭沸いてるかな。さっきもキスしたり色々してて、こんなこと今更、かもしれないんだけど。……でも意識しちゃうんだよう、好きすぎてー。  あほみたいに心の中でうろたえてるオレを、水を飲み終えた高瀬が、見つめなおした。 「そんで? 何をずーーっと、ぼーーーっとしてたの? 呼んでも全然気づかない位って」 「え? 呼んでたの?」 「今、織田が気づいたの、三回目だよ」  高瀬の声が聞こえないなんて、オレどんだけ? と狼狽えた所で、超至近距離にいる高瀬に気づいた。 「――――……」  お風呂上りの、なんだか凄絶に色っぽく見えてしまう高瀬が、クスクス笑いながら、オレの頬をぷに、とつまんだ。    ひゃぁぁ……。  なんかもう、体温が二倍くらいに跳ね上がる気がする。  水も滴るいい男って。  こういう人を見た人が作った言葉なんだろうなと、またまた思う。もう何度目だ。  わーん、なんで、こんなに激しくカッコいいんだろう。  高瀬は、ふ、と笑って、オレをじっと見つめる。 「もー、可愛いなー……」  ちゅ、と頬にキスされる。 「――――……」  好きすぎるー……。  ドキドキしすぎるー……。 「織田、可愛いって言われるの、嫌?」 「……嫌、ではないけど……恥ずかしい、かも……」 「前、別の言い方考えとくとか言った気がするんだけど、オレ」  触れてしまいそうなくらい近くで、高瀬がオレを見つめながらクスクス笑う。 「可愛いしか、出てこないんだよなー……」  優しい瞳が緩んで、そんな風に言われると、もう何も言えない。  胸がー心臓がー……。  ふっと、「キュン死」するってどっかで見たことあるけど、ぜったい こんな気分だ、間違いない、とか、もう、なんかへんなことしか、頭に浮かばない。 「仕事してる時とかは、織田のこと、普通にカッコイイって言う子もいるんだろうなって、思うんだよね」  言いながら、頬に触れてる手が少し頬を擦って、その親指が、顎に触れる。  ドキドキで死にそうになって、ちょっと俯き加減だったオレを上向かせて、真正面から見つめて、高瀬は、ふ、と笑んだ。 「でも、オレと居る時は、もう可愛いしかない」 「――――……」  かぁ、と、顔が熱くなる。  ていうか、わざと? わざとだよね、オレを真っ赤にさせようとして、やってるよね? わーん、もう、思うがままに真っ赤になる気がするんですけど。もう。 「……なんか赤い」  すり、と頬に触れて、高瀬はクスッと笑う。

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