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◇やきもち?*圭
寝室に入ると、高瀬が小さい電気をつける。
ベッドに腰かけた高瀬に引き寄せられて、高瀬の上に向かい合わせで座らされる。少し下にある高瀬の顔。見上げられると、どきん、と胸が痛い。
「織田」
高瀬の手が、頬に触れて、すぐに顔が近づいてくる。見つめ合ったまま、至近距離。そのまま、唇が重なる手前で、瞳を伏せた。
「……っ」
高瀬の手、熱い。
絡んでくる、舌も。
「……ん……ん、ン…………っ」
ふ、と息が零れる。
高瀬の舌に応えようと思うけど、ついていけなくて、全部高瀬にリードしてもらってる、感じ。
「……ふ……っ……」
あっという間に、息が上がって、熱い。
キスって。高瀬とするようになって、こんなに理性が奪われちゃうものなんだって、知った。
ドキドキしすぎて、顔熱くて、息が苦しくて、でも気持ちよくて、涙がにじむ。
オレがしてきたキスってなんだったんだろ……
それなりに気持ちいいと思ってしてたような気がするんだけど。
「ん、ぅ……っ」
ぢゅ、と音を立てて吸われて、びくん、と震える。
なんだかすごく激しくて、高瀬の服を握り締めてると、唇を外して、高瀬がオレをじっと見つめた。
「何考えてんの……?」
「……っ……?」
「何か考えてたろ」
「たかせ、とするキスは……気持ちいいなぁって」
「ほんとにそれだけ?」
「んと……今までしてきたキスと、違うなって……」
高瀬の指が、オレの下唇に触れて、そのまま、指が口の中に触れてくる。
「オレとキスして、別の奴とのキス、考えてた?」
「ん、ん……ちが……」
そういうんじゃなくて。
「 ……んっ」
指で舌に触れられて、ぎゅと瞳を閉じたら、そのまま、また深く唇が重なってきた。
「……ん、んん……っ」
なんか激しい……。
……でもきもちい。
「……っん、ふ……ぁっ……」
深くキスされたまま。高瀬の指が、シャツの裾から入ってきて、ウエストからあがって、胸をなぞる。
くすぐったい、のに。ゾクゾクして、あ、なんかもう、すごくヤバい。
「……ッん」
乳首に触れて、摘ままれると。オレのそこは、もう、触れられることに慣れてきてて、腰にゾクリとした快感が、走る。
「……んん、ん、ぅ……っ」
舌で、口の中、余すところなくなめられて、胸、散々刺激されて。すでに、頭の中、真っ白で。
ただ、ビクビク、震えながら、高瀬の服を握り締める。
不意に唇が離れたと思ったら上の服を脱がされて、そのまま、背をベッドに沈めさせられた。
高瀬が、上に覆いかぶさってきて、すぐに、また唇が塞がれる。
「……た、かせ……」
唇の間で名を呼んで、ぎゅ、としがみつくと。
高瀬は、ふ、と笑って、オレを見つめた。
「……オレ以外とのキス……」
「……?」
「思い出させないようにしたいとか……」
「……??」
「なんか、余裕ないかも……」
「……え。あ……」
違う違う、そんな意味で思い出してたんじゃなくて。焦った瞬間。
「織田」
顎を取られて、またキスされる。
深いキスに、ぞくん、と震えて、高瀬の服をまた握り締める。
「……ん……ッ」
……やきもち……とかだったり、する??
オレが他の人とのキス思い出すの、嫌、とか……?
余裕ないって……。
そんな理由で、この、めちゃくちゃ深いキスなのかと思ったら。
胸が死にそうにドキドキしちゃうんですけど……っ。
やばいやばい、オレ……。高瀬可愛いとか思ってる。
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