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第二章 獣人の国と少年 (十七-前)

シルヴァンの舌が夜宵の唇に割って入り上顎や歯列をなぞり、ゾクゾクとした感覚が背中に走る。 両腕を頭の上で抑えられたことにより抵抗することも叶わず、夜宵のくぐもった声は口を塞がれていることにより外に出ず内側から頭に響き、それが()しくも夜宵の熱を高めていく。 腕を抑えていない左手が夜宵の前にかかっていたシャツをはだけさせ、胸元の可愛らしい突起に手を滑らせると手のひらでゆるゆると擦り、硬さを帯びたのを確認して親指と人差指でつまみ上げた。 それなりに敏感になっているそこは桃色に色づき熟れた果実のようになっている。 チュッと音を立てて離れた唇からどちらともつかない唾液が流れ夜宵の頬を伝う。 そのまま少し下がり、まだ刺激の与えられていない左乳首の乳輪をぬるりと舐めていく。 一番熱の欲しい頂点に触れてくれない舌の感触がもどかしく、身を捩ったところでようやく突起を刺激され、クリクリと押し込められるような動きに思わず夜宵の腰が浮いた。 浮いた腰を押さえつけるようにシルヴァンは自身の上半身を密着させベッドに押さえつける。 「んっ……あァッ!!あ、あっ」 すっかり反り勃った夜宵自身が押さえつけられたシルヴァンの身体に擦れ、溢れた先走りが胸から腹にかけてを汚していく。 濡れたことでより滑りが良くなり興奮を煽り、夜宵の腹の中の疼きは高まるばかりだった。 「み、そらっ!も、ダメ……!」 「こんなに濡らして可愛いな、夜宵。そんなに気持ち良い?」 「んっ、きもちい」 潤んだ目に負け、シルヴァンは再び夜宵の唇を食む。 乳首を愛でていた左手を下へ送りよだれを垂らしっぱなしの(こわ)ばりへ伸ばした。 包み込むようにしっかり握りこむと、しっかり濡れているせいで握った場所で手が止められず、頭から根元まで一気に手が落ちる。 「んんんん〜〜〜〜〜ッッ!!!!」 シルヴァンが焦って握る手に力を込めたことで一気に快楽が押し寄せ、たった一回のそれで夜宵の精は放たれた。 背中が仰け反りビクビクと体は痙攣している。 ぷはっ、と互いの唇が離れると夜宵は浅い呼吸を繰り返して脈動を必死に逃がそうとする。 さほど時間はかからず夜宵の呼吸は「はーっ、はーっ」と長いものに変わってきた。 シルヴァンは頭の上で掴んでいた手を離し、夜宵の髪を撫で顔を寄せる。 「悪い、大丈夫か?」 まだ荒い呼吸を整えながらこくんと夜宵は頷いた。 大丈夫だと頷きはしたが、夜宵も流石に戸惑った顔をしている。 これまで性交を重ねてもこれほどまでに早い吐出は経験したことがなかった。

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