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第2話
ミツリに拾われてから6年が経った。
小学生だった俺は18歳になり、身長もあの頃とは比べ物にならないくらい伸びたと思う。
髪の毛も金髪に染め、両耳にはイヤリングを付けている。どこかの不良だと思われても仕方がない。筋肉があまりつかないのが少し悩みだけど…。
あの頃と変わったのは見た目だけではなく、生活もだ。
朝起きると、お気に入りのパーカーに着替え、まずは朝食作り。ミツリの分まで用意し、ニュースを見ながら朝食をとる。
ちなみに、ミツリは朝が苦手で寝起きが悪い。だから彼のベットと椅子と机しか置かれていない殺風景な部屋を覗き、一声かける。
「店の方、先いくからなー」
「…んー」
布団にくるまっている、やる気の無い彼の返事を聞いてから家を出た。
俺たちは狭い一軒家に二人で住んでいる。1階はキッチンや食べるところがあるだけで、2階は2部屋あるため俺とミツリで使い分けている。
なので仕事場はここではなく、自転車で少し移動した先にある。
「綾人くーん」
「あ、おはようございます。雅さん」
常連さんである雅さんに出会ったので、颯爽と走らせていた自転車を止める。
雅さんは俺よりも少し年上の女性だ。おっとりしていて、どこか大人っぽい。
「おはよう。綾人くん。今日の朝もミツリくんは一緒じゃないの?」
「あー、あいつは朝がめっちゃ苦手なんで置いてきました」
「えー。残念。2人とも顔が小さいしモデルさんみたいでカッコイイから、並んでいるところを見たいのにー」
「あはは…そうですかね」
雅さんはいい人なんだが、正直、反応に困る。気になって俺は時計をチラリと見た。
「すみません。俺、そろそろお店の方があるんで。またお会いした時にお話しましょう」
「そうよね。また何か困ったことがあったら訪ねるわ。頑張ってね」
「はい。何でも屋の「エスポワール」にお任せ下さい」
そう言って俺はまた自転車に乗った。
ミツリに拾われてから1番変わったこと。それは生活だ。
俺はミツリが営んでいる、何でも屋「エスポワール」で働いている。
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