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いちぐし

 「愛情込めて焼いたいちぐし食べてくれないの?」 ふわりとうしろからだきしめられ、耳もとでいじけたようにつぶやくようちゃんにからだがフルッとなる。 「いち、ぐ……し?」 この魚の名前なのかとおもって、くりかえしてみる。 「鮭の一番いい部位っていうのを"いちぐし"とここでは言うんだ。日本では食べにくいから嫌煙されることが多いんだけどね」 ぼくはほねをクロウしながらとり、こまかくしたミを口に入れる。 ほろほろ バターの甘さとサケのおいしさがとけていく。 味がなくなるまえにごはんをまたガツガツたべて、おみそしるをのむ。 ぼくがあこがれていたごはんに、やっとであえたんだ。 そして、ぼくにいちぐしを食べさせたリユウもわかった気がした。 "君は捨てられたけど、俺らには一番大切な人だよ" ねぇ、そうでしょ?   「美味しい?」 うれしそうな声で言うから、わかってるくせにとおもうぼく。 「おいしいよ」 でも、ちゃんとことばにしてつたえたいんだ。 「良かった♪」 ふふっと笑って、より強くだきしめてくれるようちゃん。 「ようこそ、朝日家へ」 ぼくはほんとうにこの家のこども、弟になれた気がした。  「ねぇ、ゆーたん」 こんどはなぜかぼくのあたまにようちゃんのアゴがつきささる。 「食べ終わったら、この街に合う髪型に変えようね」 なんなら俺と同じピンクにしようよとあまく言うようちゃんがやさしく笑っているのがブルブルでつたわってくるんだ。 ぼくはながい髪をみじかくしたいってずっとおもっていた。 でも、もしメダツような色に変わっても、いいなとおもえた。 「海王星なんてどう? 若いんだから青は映えると思うわ」 「それでいうなら水星やろ。銀色の髪は目立つし」 「おじいさんみたいじゃないの」 「まぁ、そうも見えるか」 ポンポンとつづく会話にいいなとおもうぼく。 リョウシンのナカがいいと、子どももジユウなのかな。 「きんせい、いいんじゃない? かみがきらきらしたらせいかくもあかるくなるかも」 「それなら、月もよろしいかと。わたくしらを静かに見守るという意味と太陽と対になるかと思うのでございます」 マットをよく見ると、いろんな色のまるがアカいのをまんなかにしてちらばっていた。 これがうちゅうか。 ちょっとならった気がする。 まんなかにあるのが太陽 そのとなりにあるギン色が水星 そのとなりのキン色が金星 そのとなりのあおとミドリが地球 その2つとなりのオレンジ色が木星 その2つとなりのミドリ色が天王星 そのとなりのあお色が海王星 たしかに水金地火木土天海だ。 そして、はんたいの方にキラキラしているのが月なんだ。 面白いな。  「……楽しいね」 ボソッと言ったようちゃんにうんと小さく言った。 僕は朝日家の四男だから……カレらに見合うならどうなってもいい。 もしかしたら、ぜんぜんちがうジブンになるのかもしれないな。

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