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意地悪なのは兄弟共通

 下に降りるまでもあいかわらずにぎやか。 「ゆうちょ、ことばぜめしようとしてたで」 「乳首の触り方も上手くなってきましたよ」 満足そうに話す真昼と夜彦。 「僕は、僕はね……普通に、本当に普通にしてるだけなんだよ?」 何もないよとベンカイする僕。 ようちゃんはそれを聞いて微笑んでいるけど。 「俺はそのままでいいと思うよ」 言葉も悪くはないんだけどね。 「さっ、温かいの食べさせたいから先行くね」 明るく言って握る手は力強いし、ずんずんと引っ張られてしまう僕。 そして、2人きりになってから耳元で小さくささやくんだ。 「エロくなるのは俺の前だけにして……妬いちゃうから」 僕の心臓をバクバクさせてから、耳をはむようちゃんにもうかなうわけがない。 「ぁ……ンハぁ」 後ろの2人に聞こえないようにあえぐと、ふふふと笑うようちゃん。 「こんなんで感じちゃうんだ……毎日特訓してる成果が出てるね」 甘く低い声で言いながら首の後ろに触れるから、身体が気持ちよさでビリビリとしびれる。 「ちゃんと歩かないなら、お姫様だっこしてあげてもいいよ」 ようちゃんがニヒッと笑うから、僕はがんばって腰に力を入れた。 やっぱり兄弟、意地悪なのは共通なんだ。  「トト、カカ……おはよう」 僕は両親にきちんと挨拶をした。 「おはようさん」 トトは広げた新聞から目を離して口角を上げてくれた。 「おはよう……今日はいい日よ」 ふふっとカカは笑ってくれたんだ。  「今日は肌寒いからコートを羽織りなさいね」 そう言うカカはバラ色のコート、隣のトトは紫のコートを着ていた。 お互いの色を交換するのって、なんかいいなと思ったんだ。 「それなら僕らも交換しようよ」 ふふっと笑うようちゃんは僕の手を引いて、コート置き場へとかけていった。  追いついてきた夜彦と真昼も合流したのはいいんだけど。 「ゆーたんは僕の番だから、ピンクを着るに決まってんの!」 「いつでもきれるやんか……きょうはぼくぅにゆずってもええやん!」 「むむっ! わたくしのオレンジは黄色とあまり変わらないのでよく似合うと思うのでございますよ!」 僕に自分たちの色を着せたくて3人ともゆずらない。 これが独占欲だと、僕が勉強のために通っているところで最初に教わったなぁとぼんやり思い出す僕。 最終的に僕がみんなが意外と似合いそうな感じに決めたんだ。 漢字がびっしり書かれたパーカーの夜彦には深緑 色とりどりのパッチワークのパーカーの真昼にはピンク 宇宙の写真がプリントされたパーカーのようちゃんには黄色 そして無地の灰色パーカーの僕にはオレンジにした。 「やはり、お似合いでございます」 「ゆーたんの匂い嗅ぎ放題♪」 僕に自分の色が当たった夜彦と僕の色になったようちゃんは機嫌がいいんだけど。 「なんやねんボケ……」 真昼はいつもより機嫌が悪くなった。 でも、真昼の機嫌の悪さは表情があるしるしだと思ったらいとおしくなるんだ。 「真昼、似合ってるよ」 僕がお世辞ではなく、本気でほめると、すぐに真昼のしわがなくなる。 「まぁにぃやからな、なにきてもにあうにきまってんねん! ほれてもしらんからな」 ふふんと鼻を鳴らした真昼はえりを左肩から外してヨウエンな笑みを浮かべるというカッコいいポーズを取った。 ほら、表情がちゃんとあるでしょ? でも、やっぱり平凡ではないかな。

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