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ある日、森の中⑩
「次は久米君の事も、気持ちよくしてやるよ」
課長の口元が、意地悪く歪んだ。
いつもゆるゆるでフワフワで、いい加減で頼りなかったり情けなかったりするところもいっぱいあるけれど、仕事に関してはいつも真摯で、その知識量や研究姿勢には尊敬の念を抱いていた。
それなのに......。
やっぱり、絶対に嫌だ。
なんで僕がこの人に、こんな目に遭わされないといけないワケ?
無様な格好だとは思いながらも、必死に暴れ、体を捩り、這うようにして前に逃れようとした。
でも彼はクスクスと楽しそうに笑い、そのまま僕の体に覆い被さってきた。
ゆっくり彼の手が、前に伸ばされて......僕の下半身に、触れた。
そこはもう完全に萎えていた為、彼は不満そうに軽く舌打ちをして、でもまたすぐに楽しそうに笑いながら言った。
「まぁ、いっか。
勃ってく様子観察するのも、面白そうだしな」
「はぁっ!?
どんだけゲスなんだよ、お前!
死ねっ、今すぐ死ねっ!!
っていうか、僕が殺すっ!!」
叫びなからまたしても抵抗しようとしたけれど、自ら腹這いなんていう体勢になってしまったのは、完全なる僕の作戦ミス。
「はいはい。
わかった、わかったから。
怖くないから、大丈夫だよ。
いい子にしてようね?
そうしたらすぐに、気持ちよくしてあげるから......ね?」
急にいつもみたいなゆるふわな口調で言われ、更にさっきバーでされたみたいに、優しく頭を撫でられて。
......それに驚いて一瞬反応が遅れ、完全に力が抜けた。
その変化をこの性悪男が見過ごすはずもなく、背後でプッと吹き出す気配を感じた。
「お前、意外とチョロいな。......可愛過ぎ。
久米君......僕と 、気持ちいい事しよっか?」
このタイミングでわざと『俺』じゃなく『僕』って言う辺り、本当に性格の悪い男だと思う。
なのにそれにゾクゾクして、体が震えた。
......絶対にこんなの、嫌なはずなのに。
「課長......もう、やめてよ。」
色んな感情が混ざり合い、僕の瞳からはまたしても涙が溢れ出た。
それを課長は唇で優しく拭い、後ろの穴に余っていた方の手の小指を添えて、洋服の上から焦らすみたいにそっと撫で上げた。
驚き、慌てて彼の手を押さえながら、辛うじて動かせた顔だけを後ろに向け、泣きながらではあったけれど睨み付けた。
「......悪いけど、逃がす気ないから」
クスリとまた、彼は笑って。
......やや強引に、パンツと下着をまとめて一気に引き下ろされた。
「嫌......だ......、ホントやめろよ!」
暴れる僕の事を軽くいなしながらローションを手に取り、少しずつ弄ぶみたいにじわじわと、彼の太くてゴツゴツした指先がさっき触れた場所に侵入し、犯した。
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