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ある日、森の中⑫
「あ、そうだ。
前 も、可愛がってやらないとだな。」
もう一方の手を伸ばし、抵抗する間もなく優しく握られて......耳元でまた囁かれた。
「もう、完全に勃っちゃってるじゃん。
勃ってく様子、観察してやろうと思ってたのに。
......そんなに、良かった訳?」
ククッと笑うその仕草は、とてつもなくゲスなモノだった。
それにあまりにもムカついたから、にっこりと微笑み答えてやった。
「ただの、生理現象ですよ。
あんな下手くそな前戯で、よくそんな事が言えますね」
課長の眉間に、深いシワが刻まれる。
余計な事を言って無駄に煽ってしまった気がしなくはないけれど、僕は昔からこういう性分なのだから仕方ない。
「マジでお前、可愛くねぇな。
さっきは天国に連れてってやるって言ったけど、予定変更だ。
......意地でも感じさせて、逝き地獄へご案内してやるから覚悟しとけ。」
言葉とは裏腹に、優しく背中に口付けを落とされた。
予想外の甘い刺激に、体が弓形 にしなる。
すると今度はそのまま背筋に添って、舌を這わされた。
そこは僕の、弱点のひとつで。
......過剰に返してしまった反応を見逃す事無く執拗に、下から上に向かって何度も舐め上げられた。
後ろの孔から指先が抜かれ、ホッと一息ついたのだけれど、それは更なる快楽の幕開けに過ぎなくて。
......今度は二本の指が、じっくり焦らすみたいにして入れられた。
しかもその間も絶え間なく、前も扱かれ続けていて。
クソ!
コイツ、男を相手にするの、初めてじゃないのかよ?
......無駄に、上手いんだけど。
さっきの決意も虚しく、僕は壊れた玩具みたいにただ卑猥な声で鳴かされ続けて......彼の手の中、呆気なくイかされた。
「はい、一丁上がり。
......さ、次行くぞ。」
余韻に浸る間もなく、タオルで手を拭いながら淡々と、告げられた。
「次、じゃないだろ!
終わりだ、終わり!
ホント訴えるぞ、このクソ上司っ!!」
睨み付け、ギャンギャンと吠えた。
そんな僕の事を、今度は静かに微笑みながら見つめたまま、細やかな抵抗なんてまるで気にするでもなくまたしても簡単に押さえ込み、再度腹這いにさせた。
「嘘でしょ、課長。
......本当に、するつもりなの?」
僕の質問に答える事無く、ローションだけ垂らすとそのままゴムも付けず、課長は既に再び大きく勃ち上がったモノを僕のお尻の孔に当てがった。
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