28 / 56

全部、熱のせいだ⑨

 課長の節くれだった指先が、ゆっくり僕の中へと侵入してくる。  自分の指よりも太く、長いそれは僕の中を自由に這い回り、僕ですらも知らなかったポイントを探り当て、的確に攻め立てた。  そっと手を伸ばし、彼の下半身に触れるとそこは僕同様、既に大きく隆起していた。  だからパンツのファスナーを下ろし、下着に手をいれて直接触れた。  耳の側で、彼の浅く荒い呼吸が聞こえる。  ノンケの癖に僕の痴態に興奮してくれているんだと思うと、それがとても嬉しかった。 「お前なぁ......そういう事、すんなよ。  ......病人だろうが、犯すぞマジで」  いつもよりも少しだけ上擦ったような、セクシーな声。  それを聞き、思わず頬の筋肉が緩んだ。 「.....いいよ、むしろ嬉しい」  ぎゅっ、とまた抱き付いて、彼の頬に頬をすり寄せた。 「この、悪魔め。  ......後で文句言っても、知らねぇからな」  彼は半ばヤケクソ気味にそう言って、僕の中を抉る指を一度引き抜き、二本に増やした。 ***  ローションを使って散々解された後、突き入れられた凶器にも等しい熱い塊。  そんなモノを突っ込まれるのはまだ二度目だし、かなり前回から期間が経っているにも関わらず、完全に飛んでしまっていた僕は乱暴な行為にも悦びの声をあげ、淫らに鳴いた。 「課長......好き、大好き。  もっと......んんっ!」  彼の上。  何度もキスを落としながら、自ら腰を振る僕。  課長はそれを満足げに微笑みを浮かべて見つめ、時折下から激しく突き上げた。

ともだちにシェアしよう!