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全部、熱のせいだ⑪
「......何やってんだよ、ガキが」
クククと意地悪く笑って、それは直ぐ様没収された。
......ムカつく、やっぱり。
「そのガキに手を出して、三発も中出ししたのは、何処の誰です?」
にっこりと微笑み、言ってやった。
ぐっ、と言葉に詰まる、課長。
そう。中に出されると、後処理がマジで大変なのに。
......病人相手にコイツ、どんだけ盛ってんだよ。
「ホント、オナニー覚えたての中学生じゃあるまいし。
それとも、猿なの?お猿さんなの?」
笑顔のまま、グイグイと詰め寄る僕。
途中までは課長も、おとなしくそれを聞いていたんだけれど。
...僕はまたしても、引き際を見誤ってしまったようだ。
「ごめんね、久米君。
僕が、悪かったよ。
責任とって、全部今から掻き出してあげるね」
タバコを灰皿に押し付け、火を消して。
......彼の顔に浮かんだのは、凶悪さなんて微塵もない、ニコニコ穏和な『くまさん』を思わせる笑みだった。
でもこれ......絶対、ヤバいヤツっ!!
本能で危険を察知して、慌てて身を起こした。
「えっと......分かって貰えたら、いいんです。
では僕はそろそろ、失礼しま......」
最後まで言えなかったのは、そう。
この大男の魔手によりまたしても押さえ込まれ、唇を貪られたからだ。
結局この日僕は、その後も襲われ、乱されて。
......熱も下がり、完全に素の状態で彼の事が好きだと認めるまで、犯され続けたのだった。
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