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好きって、言ってよ⑤

 くそ......、こんなの屈辱過ぎる!  ......コイツの事を、意地でもひざま付かせてやる。  前触れ無く少し乱暴に、下着ごと脱がせた。  するとそこはもう、臨戦態勢で。  ......無意識の内に、ゴクリと喉が鳴る。  見えてはいないはずなのにその気配を察したのか、また可笑しそうに笑う課長。   「もう、食べたくなったの?  可愛いなぁ、ホント」  今度は足の指先で、僕のあそこを弄ばれた。  びくんと大きく、体が震える。 「どうぞ、召し上がれ♡  久米君それ、大好きでしょ?」  ニヤニヤとゲスな形に歪む、彼の唇。  それにまたいらっとして、キスで彼の唇を塞いだ。   「気持ちよすぎて無理って言うなら、足は止めてやってもいいよ?」  唇を離すと課長はクククと肩を揺らし、笑って言った。  しかしそれを認めてしまうのはあまりにもムカつくから、天の邪鬼で阿呆な僕は、笑顔で直ぐ様否定の言葉を口にした。 「まさか!  ぜんっぜん、平気です。  そんな下手くそな愛撫、愛撫のうちに入りませんけど?」  思いっきり、吹き出す課長。  ホント、何なの?コイツ。  ......なんで僕、こんな奴の事が好きなんだろう。  そのまま彼の足の親指は僕の分身の先端を的確に捕らえ、まるで頭を撫でるみたいにして優しく触れた。 「へぇ......そう?  ......でももう頭のとこから、汁出てんだけど。」  わざと見せ付けるみたいにして開かれた、彼の足指。  確かにそこは、透明な液体でヌメヌメといやらしく光っていて。  ......羞恥心から、全身の血が逆流してしまったみたいに、熱くなった。  とはいえ幸い彼の瞳はネクタイで覆われているから、僕が真っ赤になっているところを、見られずに済んだ訳だけれど。

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