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好きって、言ってよ⑦

 だから言われるがまま彼の上に跨がり、そのままゆるゆると入り口に擦り付け、快楽を貪りながら解していった。 「今日も自分で用意出来て、偉いね」  彼の言うように、挿入しやすい様に自分で浴室内で前処理を済ませていたのを揶揄されて、頬が赤く染まるのを感じた。  その気配を感じ取ったのか、クスクスとまた課長が笑う。  ホント、イライラする。  ......彼に対してだけではなく、こんな風にでも褒められて、嬉しいと思ってしまう自分自身にも。 「うるさいなぁ。  課長は本当に、黙って僕に犯されてて下さい」  行為に溺れながらも、夢中でキスをした。  優しく頭を撫でられて、体だけでなく、徐々に脳も焼かれ、融かされていく。  この人の大きな手で撫でられるのは、好きだ。  悔しいけど、スゴい落ち着く。  でもそこで、ある事に気付いた。  ちょっと、待って。  ちゃんと拘束、してたよな?  ......なのにコイツ、なんで僕の事を撫でてるんだよ! ***  驚きフリーズする僕を尻目に課長は楽しそうに笑って、自由になった手を使って瞳を覆うネクタイもあっさり外し、種明かしをした。 「あのさぁ、久米君。  結束バンドを使うなら、もっとちゃんと両手を組ませておかないと。  久米君にバレないように角度を変えて、手と手の間に空間多めに作ってたの、全然気付いてなかっただろ?」  なるほどね、そうやって出来た隙間をうまく利用して、外した訳か。  痛いのはちょっと可哀想かなとか思い、そこまで強くは締め付けなかった自身の甘さを、心底悔いた。

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