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好きって、言ってよ⑩

 嘲笑うみたいにして、さっきまで繋がっていた所を指の先で軽く突かれた。  たったそれだけの事で体が大きく震え、小さな喘ぎ声が漏れた。  僕の上に跨がったままクスリと笑う、性悪男。  それにまた苛立ちながらも、笑顔で彼を煽る僕。 「なんだ、おしまいですか?  やっぱり年齢も年齢だし、体力的にもう厳し......」  最後まで言い終わる前に、中指を突っ込まれてしまった。   「ひぃ......ん!」  それに反応し、変な声が出てしまったけれど、僕の手は足首に繋がれてしまっているせいで、口を覆い隠す事すらも叶わない。 「いい声。  でも久米君は、指だけで満足なの?  ......ここ、すげぇ物欲しそうにヒクヒクしてるけど」  僕が動けないのを良いことに、先程の宣言通り、首筋にキスマークを付けられた。  シャツを着たら、ギリギリ隠れるだろうか。  いや、無理だろ。  確実に見えるだろ、これ。  ......コイツ、絶対後でぶっ飛ばす! ***  しつこいくらいアナルだけを指で弄ばれると、直前まで太くて逞しい彼のモノで抉られていたそこは、更なる刺激を求めてきゅんきゅんと疼いた。 「ねぇ、久米君。  さっきは、なんで怒ってたんだよ?  言えたらまた、続きしてやるよ」  ネチネチと僕の心と体を責め立てながら、耳元で彼が甘く囁く。  でもやっぱりその理由を口にしたくなくて、体の方はもう完全に蕩けきっていたけれど左右に首を振り、答える事を拒絶し続けた。

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