43 / 56
好きって、言ってよ⑬
「確かに、好きだって言われたな。
けどあれも体調悪くてとんでたり、寸止めして無理矢理言わせたりだったからさ」
一応コイツ、あれは無効だと思っていたのか。
苦笑いを浮かべ、僕も彼の背中に腕を回した。
「......好きだよ、久米君」
ピアスの無くなった耳元で、彼が甘く囁く。
さっきまで散々焦らされ、火照っていた体が、それによりもう一度熱を持っていくのを感じた。
「僕も、好きですよ。
......何となく、納得はいきませんけどね。」
さっきやられた仕返しに、彼の耳朶に、思いっきり歯を立ててやった。
「ってぇな、何すんだよ!
......マジで仕付け直す必要が、あるみたいだな」
彼はそのまま僕の体を、無理矢理四つん這いにさせた。
抵抗する間もなく背後から強く抱き締められて、再び硬度を取り戻した熱く太いモノを後孔に擦り付けられる。
「ん......ふぁ......んんっ!!」
僕の唇から溢れ出たのは、媚びるような、甘えたような声。
それを聞き、彼がクスリと笑うのを感じながらも、止められない嬌声。
「可愛いなぁ。
......いつもより、感じてる?」
否定の言葉も、肯定の言葉も口に出来ないままに。
......自らも彼を求め、ただ腰を揺らした。
「何、久米君。
やっぱりまた、欲しくなった?」
背中に唇を這わせながら、聞かれた。
そのまま軽く、吸い付かれて......またしても痕を残された。
でもそこなら、見えないし。
それにこの人の所有物みたいにマーキングされるのは、嫌じゃない。
......ちょっと、嬉しい。
ともだちにシェアしよう!