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好きって、言ってよ⑮

 彼の手が前に伸びてきて、それは優しく僕のあそこに触れ、先端を焦らすみたいにして弄んだ。 「ぁ......んん!」  卑猥な声が漏れ、それと同時にまた腰が揺れた。 「何感じてんだよ?  お仕置きだって、言ってんのに」  クククと意地悪く、課長が肩を揺らし笑う。  それがあまりにも悔しかったから、彼の事を見ないように僕はまるで亀みたいに丸くなり、顔を枕で隠した。    痛いわけじゃないけれど、これ以上叩かれるのは嫌だ。  左右に激しく首を振り、やめろと必死に訴える。  すると今度は優しく頭を撫で、彼が優しく耳元で囁いた。 「ならちゃんと、いい子だってとこ、見せろよ。  ......久米君、ごめんなさいは?」  熱い吐息を耳に吹き込まれ、ゆるゆると焦らすみたいに、後孔に彼のモノをまた擦り付けられた。   その上同時に前もそっと握られ、扱かれて。  ......嫌でも快楽が、背筋からぞわりと上がって来るのを感じた。    でもそれはどちらも焦らすみたいにゆっくり、穏やかな刺激しか与えてはくれなくて。    既に彼により、抱かれる快感を教え込まれてしまっている僕の体は浅ましく震え、気が狂いそうになる。 「ほら、ちゃんと言えよ。  言えたらいつもみたいに、気持ちいい事してやるよ?」  ......コイツ、やっぱり性格わりぃ!    でももう体の方は僕の意思を完全に裏切り、限界をとっくに越えてしまっていた。  だからまた泣きながら、過去の自分には想像も出来ないほどカッコ悪く、情けない言葉を口にした。 「課長、ごめん......なさ......ぃ!  ......ちゃんと僕、いい子にするから!  だからもう、意地悪しないで!!」

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