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好きって、言ってよ⑯
「良く出来ました。
ご褒美、あげる......な!」
な、の音を発するのと同時に、いきなり突き入れられた。
その瞬間僕の体は仰け反り、それを支えるようにして腰をぐいっと引かれて、更に奥へと侵入して来た凶器にも等しい彼のモノ。
「ハハ、さっきまで入れてたから、もういい感じだな。
でもそんな締め付けんなよ、もっと楽しもうぜ?」
|邪魔するもの《ピアス》がなくなった耳朶を這う、彼の舌。
「ん......っ、どうせこれで終わりじゃないんでしょ?
一回目、搾り取ってあげますよ」
クスリと笑い、わざと締め付けてやった。
「お前......ホントに、懲りないヤツだな。
今日は抱き潰してやるから、覚悟しとけよ」
僕の体を抱き締める力が、強くなる。
そして更に激しくなる、律動。
そこからは溢れ出る声を誤魔化すため枕を抱き締めたまま、ただ与えられる快楽に溺れた。
「こら......、我慢すんな。
もっと可愛い声、聞かせろよ」
唯一の防具である、枕すらも奪い取られて。
僕は耳を覆いたくなるようなはしたない声をあげ、鳴き続けた。
いつも僕の意思をガン無視して、彼は中に出す。
最初は不快で堪らなかった筈なのに、いつしかそれは当たり前の行為に変わった。
彼により、まるでメスの体に作り替えられていくみたいだ。
でも抱かれる側の快感を覚えてしまった僕はきっと、もう元には戻れない。
だからと言って他の男に抱かれるのは、絶対にイヤだ。
本当にゲスで最低な男だと思うけれど、この人がいい。
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